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神戸市立医療センター中央市民病院の医師主導治験による医療機器の薬事承認について

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記者資料提供(2024年6月28日)
健康局地域医療課

神戸市立医療センター中央市民病院では、神戸市の基幹病院として市民の生命と健康を守る役割を果たすとともに、様々な症例が集まる当院の特性を活かし、治験および臨床研究に積極的に取り組んでいます。これらの成果を医療の質および安全性の向上に繋げることで社会に還元することを目指しています。
この度、当院の医師主導治験(※1)により、脳血管用誘導補助器具が薬事承認(※2)されましたのでお知らせいたします。当該医療機器により、脳血管内治療時の血管損傷などのリスク軽減が期待されています。
(※1)医師主導治験:医師自らが企画・立案し、実施する治験。
(※2)「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に基づき、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が有効性や安全性を審査し、厚生労働大臣が医療機器等の製造販売を承認すること。

1.薬事承認された医療機器の概要

(1)脳血管用誘導補助器具(スタビライザーデバイス)
脳血管において、血管の屈曲等により通常の方法ではカテーテルを含む血管内治療機器の送達が困難な症例に対して、血管内治療機器を到達することを目的とした医療機器です。先端のバスケット部分を血管に固定することで、屈曲が大きい部位においても血管損傷などのリスクを減らし、スムーズに、カテーテルを含む血管内治療機器の位置調整及び移動の補助をすることができます。

(2)製品名等
・SD-01(販売名:Medilizer AGDシステム)
・医療機器承認番号:30600BZX00123000(2024年6月19日承認)
・医療機器類別及びクラス分類:器51 医療用嘴管及び体液誘導管、クラスⅣ(高度管理医療機器)
・機器提供者:株式会社Bolt Medical
・製品販売:メディキット株式会社
メディキット株式会社のプレスリリースは下記ホームページをご参照ください。
https://medikit.co.jp/

(3)対象疾患
脳血管内治療時に治療用医療機器(カテーテルなど)を通常の方法で送達できない脳動脈瘤または脳動脈狭窄症。

2.医師主導治験の概要

臨床上の有効性及び安全性に関して、2022年6月から2023年7月にかけて、対象患者を「脳血管内治療時に、交換法を含めた通常の方法で血管内治療機器を送達できない脳動脈瘤もしくは脳動脈狭窄症患者」とした医師主導治験を行いました。
(※)脳動脈瘤:脳動脈の血管がこぶ状に膨らんでいる状態。
(※)脳動脈狭窄症:脳動脈が狭くなっている状態。

(1)治験名
脳血管内治療におけるスタビライザーデバイスに関する安全性及び有効性を評価する多施設共同単一群試験

(2)治験実施者(所属は治験実施当時)※敬称略
神戸市立医療センター中央市民病院 坂井 信幸
筑波大学附属病院 松丸 祐司
順天堂大学医学部附属順天堂医院 大石 英則
京都大学医学部附属病院 石井 暁 
名古屋大学医学部附属病院 泉 孝嗣
大阪医療センター 藤中 俊之
国立循環器病研究センター 今村 博敏
兵庫医科大学病院 吉村 紳一
近畿大学病院 佐藤 徹

(3)治験調整医師(所属は治験実施当時)※敬称略
神戸市立医療センター中央市民病院 坂井 信幸
神戸市立医療センター中央市民病院 坂井 千秋
京都大学医学部附属病院 永井 洋士