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スマホを使った市民参加型生物調査を始めます

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記者資料提供(2024年5月31日)
環境局自然環境課

神戸市は都市近郊に里山が広がる自然豊かな大都市です。神戸が目指すべき里山を実現するための方策を明らかにし、一人ひとりが里山の豊かな恵みを持続的に享受することを目的として、「KOBE里山SDGs戦略」を2023年1月に策定しています。

一方、外来生物による生態系被害等も発生しています。特に近年新たに神戸市内で確認されたツヤハダゴマダラカミキリやクビアカツヤカミキリは樹木を食害し、枯死に追いやる外来生物です。

また、2023年に神戸市を含む全国の都市部でツヤアオカメムシが大量発生し、大きな話題となりました。本年も昨年以上に大量発生することが危惧されています。

今回、株式会社バイオームと連携し、AIにより動植物 約93,000種を判定するスマホアプリ「Biome」を活用し、豊かな環境である里山の指標となる生きもの、神戸市で確認されている外来種、大量発生が話題となるカメムシ類等の15種類の生物を対象とした市民参加型の調査を実施します。神戸市全域での生物調査に、ぜひご参加ください。

1.「Biome」を活用した市民参加型の生物調査について
(クエスト:夏休み生きものクエスト2024~神戸で夏の生きものさがし~)

神戸市全域を対象として、生きものの調査を行いますので、お手持ちのスマートフォンに「Biome」をダウンロードの上、ご参加ください。

なお、ツヤハダゴマダラカミキリは日本固有種のゴマダラカミキリとよく似ていますので、「Biome」に記載の見分け方の説明をよくご覧いただき、見分けやすいよう、背中側から全身を写すように写真を撮影してください。

(1)期間:2024年6月1日(土曜)~2024年8月31日(土曜)まで

(2)クエストの対象種

対象の生物:15種

1 里山の指標となる生きもの

①カブトムシ、②コクワガタ、③ヤマトタマムシ、④ハグロトンボ、⑤ミンミンゼミ、⑥ミナミメダカ、⑦ニホンアマガエル、⑧ニホントカゲ

2 神戸市で確認されている外来種

⑨ツヤハダゴマダラカミキリ、⑩クビアカツヤカミキリ、⑪オオキンケイギク

3 神戸市でよくみられるカメムシ

⑫ツヤアオカメムシ※、⑬チャバネアオカメムシ、⑭クサギカメムシ、⑮キマダラカメムシ
※ 都市部での大量発生が予想される

(3)調査への参加方法

①スマホアプリ「Biome」(無料)をダウンロード。

②「Biome」を開き、神戸市が実施するクエスト「夏休み生きものクエスト2024~神戸で夏の生きものさがし~」をご覧ください。

③対象の生物を見つけたら「Biome」を使って写真を撮り、投稿してください。

(4)その他

  • 本クエストの対象期間が終了した後も、継続して「Biome」を利用した投稿は可能です。
  • 昨年実施した生物調査の結果は以下の報告書をご覧ください。

https://www.city.kobe.lg.jp/documents/68803/biome_quest_kouhyou.pdf

2.スマートフォンアプリ「Biome」とは

株式会社バイオームが開発・運営している無料のスマートフォンアプリです。生きものの写真を撮影すると、独自のAIが種を判定します。生きものに詳しくない方でも気軽に生物を調べることができます。図鑑機能もあり、撮影した生きものの情報をその場で調べることも可能です。

「Biome」にはクエストというイベント機能があり、生物調査ができます。今回はこのクエストを活用し、生物調査を実施します。

アプリは、以下のページよりダウンロードください。
https://biome.co.jp/app-biome/
バイオーム

3.カミキリポストの開設について

特定外来生物のツヤハダゴマダラカミキリは、六甲アイランド内で発生しています。その対策として、2022年度より継続して、地域団体の協力を得て、六甲アイランド情報交流センター(六甲ライナー・アイランドセンター駅1階)にカミキリポストを設置し、市民が採集したツヤハダゴマダラカミキリを神戸市が回収・駆除します。設置期間は2024年6月1日(土曜)~2024年8月31日(土曜)の予定です(開館時間は10時~16時。8月14日~17日は閉館)。

ツヤハダゴマダラカミキリは生きたままの移動が禁止されていますが、カミキリポストによる防除について環境省の確認を受けていますので、六甲アイランド内でのこの方法での対策が可能です。なお、ツヤハダゴマダラカミキリを採集した場合は、空のペットボトルに入れ、しっかりと蓋を閉めてカミキリポストまでお持ちください。

(参考1)KOBE里山SDGs戦略とは

里山の豊かな自然の恵みを享受し、次世代に残していくことを目的に、2023年1月に「KOBE里山SDGs戦略」を策定しました。この戦略では、里山が抱える課題や課題を解決するための3つの戦略(「知る」「まもる」「つなぐ・ひろげる」)、戦略ごとの具体的な取組みを紹介しています。詳細は、以下のページをご確認ください。
https://www.city.kobe.lg.jp/a66324/kurashi/recycle/biodiversity/satoyama_sdgs.html

(参考2)ツヤハダゴマダラカミキリとは

中国等が原産の外来昆虫です。日本固有のゴマダラカミキリに非常によく似ていますが、翅のつけねがツヤツヤ(ゴマダラカミキリはデコボコ)である等で区別できます。幼虫が樹木の内部を食害し、被害が進むと樹木は枯死します。神戸市では特にアキニレを好んで食害しています。国内では2002年に横浜市で初めて確認された後、一度根絶されましたが、2020年に六甲アイランドで確認されました。近年、全国的に被害が拡大しています。成虫は6月~8月頃に発生し、産卵後死滅しますが、幼虫は樹木の中で越冬します。本種の対策として、冬期に個体が潜んでいる樹木を伐採し、焼却等処分することは最も有効で、神戸市では公園等の被害が著しいアキニレを毎年伐採・焼却等処分しています。
詳細は以下のページをご確認ください。
https://www.city.kobe.lg.jp/a66324/kurashi/recycle/biodiversity/tsuyahada.html
ツヤハダゴマダラカミキリ

(参考3)クビアカツヤカミキリとは

中国、朝鮮半島等が原産の外来昆虫です。名前のとおり首(胸部)が赤色、他は光沢のある黒色の体が特徴です。成虫の活動期は6月~8月頃で、繁殖力が非常に高く、1匹のメスが樹皮に最大で1000個の卵を産みます。サクラ・ウメ・モモ・スモモ等を好み、幼虫はこれらの樹木の内部を食害しながら成長し、フラス(木くずとフンが混ざったもの)を大量に排出します。食害が進むと樹木が枯死してしまうため、公園やサクラ並木への被害やウメ・モモ等の農業被害が懸念されています。成虫、疑いのあるフラスをみつけたら、写真を添付したメールで神戸市までご連絡ください。
詳細は以下のページをご確認ください。
https://www.city.kobe.lg.jp/a66324/kurashi/recycle/biodiversity/kubiaka.html
クビアカツヤカミキリ

(参考4)大量発生するツヤアオカメムシ

森林及びその周辺の都市部でみられるカメムシです。本州、四国、九州、沖縄に分布します。幼虫はスギやヒノキの実を、成虫は果樹を含む植物の実を食べます。成虫はミカン、カキ、モモなどの果樹の汁を吸い、被害を与えます。夏に森林でスギやヒノキの実を食べて、繁殖します。増えた成虫は、秋(9月下旬以降)に森林から市街地等に分散します。2023年の秋に都市部で大量発生したツヤアオカメムシは、発生地の森林から分散してきたものです。ツヤアオカメムシは、夜間に光に強く誘因され、特に強い紫外線を出す水銀灯や蛍光灯に多く集まります。これらの照明を昆虫を誘因しにくいLED灯に交換することは、カメムシの光誘因対策として有効です。
ツヤアオカメムシ