最終更新日:2024年10月31日
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南面全景
建物は木造2階建、寄棟造桟瓦葺で、屋根には化粧れんが積みの煙突をあげています。南側に設けられたベランダは、1階をアーケード式(アーチを連ねた形)、2階をコロネード式(列柱式)とし、2階ベランダ柱頭部にはアカンサスの葉をかたどった柱頭飾りが付いています。外壁の下見板張りオイルペイント塗り、ベイウインドウ(張り出し窓)、よろい戸とペジメント(切妻のこと)、蛇腹など明治時代に建てられた神戸の異人館の特徴をよく伝えています。
内部は玄関を入って中央部に、階段を含む小ホールと廊下があって、左右に部屋がある中央廊下形式の間取りをとっています。
1階は、応接室、居間、食堂など接客を兼ねた機能を持ち、2階は、寝室、化粧部屋、浴室などプライベートな生活の部屋が主になっています。
設計者はイギリス人建築家Alex.N.ハンセルと推定されています。
阪神・淡路大震災では、主屋は壁の各所に剥落や亀裂を生じ、れんが積みの煙突は室内に落下し、屋根や天井、床が破損しました。復旧では、煙突の復原、1・2階の天井と床を補修・補足して組み直し、室内の壁、天井、外部のプラスター仕上げの壁を塗り直しました。
配膳室に落下した煙突は、取り出し、震災の記憶を後世にとどめるため、前庭の隅に展示しています。
なお、前庭の2本のガス灯は、明治7年頃旧外国人居留地に建てられていたもので、わが国でも非常に早い時期の街灯用ガス灯です。
※旧相楽園会館は、2018年12月から『THE SORAKUEN』として、リニューアルオープンしています。
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