最終更新日:2024年9月12日
ここから本文です。
コンポストは様々な方法・種類があり、各家庭で取り組むことができる、生ごみの減量・リサイクル活動です。
環境への負荷を考慮し電力を使用せず、庭や畑がなくても取り組むことができる、段ボールコンポストをご紹介します。
段ボールコンポストは、微生物の力を借りて生ごみを肥料の一種であるたい肥に変える方法です。生ごみを分解する微生物は、空気を好む発酵菌(好気性菌)で、生ごみを分解するときに酸素をたくさん使います。分解が進むと温度が上がり、水蒸気が出てきます。
酸素不足や水分が多すぎる環境では、発酵菌ではなく腐敗菌が活動しやすくなり、生ごみが腐ってしまいます。
段ボールは空気を通し、余分な水蒸気を発散するので、発酵菌が活動しやすい環境作りに適しています。
用意するもの
段ボール2枚のうち、1枚は本体に、もう1枚はふたと補強用に使います。
さらにもう1枚あれば、カッターで切り取るときの下敷きに使えます。
底は二重にしましょう、段ボールの四辺をガムテープで補強し、虫が侵入しないように目張りをします。
基材は、ピートモスともみ殻くん炭を3対2の割合で45リットルのポリ袋に入れ、水を加えて、袋の口を固く閉じて振り混ぜます。
基材を片手で握って、すぐに崩れず数秒固まるくらいの固さが目安です。
生ごみを入れて、基材と一緒によく混ぜます。
※水分もある程度は必要なので乾燥させる必要はありません。しかし、水分が多すぎると生ごみが腐敗し、虫やにおいの原因になります。軽く水をきってから入れましょう。
かならず1日1回、できれば2回以上、段ボールの中の基材をよくかき混ぜます。
かき混ぜて酸素を行き渡らせ、発酵菌の生ごみ分解を手助けしてやります。
開始してから約1週間経つと、生ごみの分解は本格的にスタートします。
微生物が生ごみを分解するためには、ある程度の温度が必要です。
気温の低い冬の時期は分解がすすみにくくなりますが、失敗ではありません!
1回に入れる生ごみの量を少なめにしたり、ぬかや食用油、湯たんぽ代わりにお湯を入れたペットボトルを入れるなどして、温度を上げる工夫をしてみましょう。
においの原因は、生ごみを入れすぎて分解が追いついていないか、水分が多すぎるなどの理由で、腐敗菌が増えて生ごみが腐っているためです。
生ごみを入れるのをお休みしたり、ピートモスや米ぬか、食用油を入れて、基材の中にいる微生物の活動を活発にしてあげると、分解が進んでにおいが解消されます。
虫は、容器のわずかなすきまやふたが開いている間に基材に入り込むか、または生ごみに卵を産みつけて、容器の中で増えます。(生ごみを一度に入れすぎて微生物が処理しきれないときにも虫がわくことがあります。)
コンポストのふたは必要な時以外は閉めておきましょう。
不要になったTシャツの襟元と両袖を縫って閉じたものを、容器の口にかぶせるのも効果的です。
(ふたは、必ず通気性のあるものを使いましょう!)
微生物の活動を活発にして、基材の温度が上がると、虫にとって暮らしにくい環境になります。
生ごみを入れるのをいったん止めて、代わりにぬかや食用油を入れ、基材をよくかき混ぜましょう。
天気の良い日に天日干しすると、基材の温度が上がり虫を追い出すことができます。
(殺虫剤は絶対に使用しないでください。)
白くてふわふわしたカビが発生することがありますが、失敗ではありません。
そのまま続けることができますので、よくかき混ぜてください。
スタートしてから3か月ほどたって基材がべたついてきたら、微生物の生ごみの投入を終了し、熟成させましょう。
最後に入れた生ごみが完全に分解されるまでには1か月程度かかります。
生ごみを入れた最後の日から10日間は、かき混ぜる作業を続けてください。
最後に生ごみを入れてから1か月経ち、基材の中に生ごみが残っておらず、乾燥した状態になれば、できあがりです。
★花だんやプランターで使ってみましょう!
【土:肥料=3:1の割合です】
実際に、段ボールコンポストに挑戦してみた方のご意見・ご感想を紹介します。
段ボールコンポストはこの他にもいろんな作り方があります。ホームページなどで紹介しているものもありますので、自分のスタイルに合った方法をみつけてくださいね。