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定例会見 2022年11月18日

最終更新日:2022年11月18日

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市長会見の模様をお届けします。


・鈴木商店と神戸の歴史・文化を再発見
 鈴木商店と神戸の歴史・文化を再発見
~ 来年4月の舞台公演にあわせて鈴木商店関連事業を展開 ~
(PDF:663KB)


会見資料はこちら(PDF:1,299KB)
 

鈴木商店と神戸の歴史・文化を再発見

司会:

 それでは、ただいまより、神戸市と双日株式会社との、鈴木商店と神戸の歴史に関する連携事業につきまして、共同会見を始めさせていただきます。

 本日の全体時間は質疑応答を含め30分程度を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、まず最初に会見出席者を御紹介いたします。

 双日株式会社代表取締役社長CEO、藤本昌義様でございます。

藤本社長:

 よろしくお願いします。

司会:

 久元喜造神戸市長でございます。

久元市長:

 どうぞよろしくお願いいたします。

司会:

 それでは、神戸市の久元より一言御挨拶を申し上げます。よろしくお願いいたします。

久元市長:

 今日は神戸ゆかりの、皆さんよく御存じの鈴木商店と、神戸の歴史を後世に引き継いでいく取組につきまして、共同会見をさせていただきます。双日株式会社、藤本昌義代表取締役社長CEOには、今日は本当にお忙しいところお越しいただきまして、ありがとうございました。大変お世話になります。

 よく御存じのとおり、神戸市が急速に発展していきましたのは、第一次大戦後を挟んで明治から大正の時期ですが、このときに神戸の経済発展に最も大きな影響を与えた会社が、神戸に本社を置く鈴木商店でした。

 大正期にはGNPの1割に匹敵する売上げで、日本一の総合商社として成長をし、神戸は経済だけではなくて、様々な分野で大きな恩恵を受けたわけです。

 店主の鈴木よねさんは、1917年、大正6年に、我が国で最初の公立女子商業学校と言われる神戸市立女子商業学校、現在の神戸市立神港橘高校の創設にも当たられました。毎年4,000円ずつ5年間に寄附をされ、現在の価値では数千万円に及ぶ運営費を寄附され、神戸の女性教育にも尽力をされました。また、神戸市立の図書館にも図書も寄贈いただきまして、これはまた後ほど御説明を申し上げます。

 このように鈴木商店は、神戸経済だけではなくて、神戸の教育・文化に多大な貢献をされておりまして、開港以降の神戸の歴史を語る上で欠くことができない存在です。そこで、このたび神戸市と双日さんが連携をいたしまして、鈴木商店と神戸の歴史・文化を再発見する取組を始めることといたします。改めまして、藤本社長をはじめ、双日株式会社の皆様方、関係の皆様方の御尽力に敬意を表したいと存じます。

 私からは以上です。

司会:

 続きまして、藤本社長より一言御挨拶いただきますとともに、鈴木商店の歴史、また、このたびの双日株式会社様の取組につきまして、御説明をいただきます。よろしくお願いいたします。

藤本社長:

 ただいま御紹介にあずかりました双日株式会社社長の藤本です。本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。

 鈴木商店が破綻してから間もなく100年になろうとしていますが、この鈴木商店は今でも多くの方に親しまれ、語り継がれています。今回、神戸市と共同で鈴木商店に関連する取組を発表させていただくことになりました。このような機会を与えていただき、久元市長をはじめ、多くの関係者の皆様の御協力に厚く御礼申し上げます。

 まず、私のほうから、鈴木商店について簡単に説明させていただきます。双日の源流の1社である鈴木商店は、この神戸の地に創業し、神戸製鋼所、帝人など、80もの事業を起こすなど、明治、大正期の日本の産業革命を牽引いたしました。そして、個人商店にもかかわらず財閥を凌駕し、日本一の総合商社に上り詰めます。その後、第一次世界大戦後の反動不況、関東大震災など、外部環境の悪化もあり、破綻してしまいます。しかし、その後も多くの企業に鈴木商店のDNAは受け継がれ、鈴木商店の物語は現在も多くの人々を魅了しています。

 来年4月に、当社双日が特別支援企業として鈴木商店を題材とした舞台「彼の男十字路に身を置かんとす」が開催されることになりました。公演にあたり、神戸市のみならず、約30もの鈴木商店に関係する企業、団体から御協力をいただいています。これだけの支援が受けられるのは、鈴木商店に思いを寄せる関係者が多く存在しているという証でもあります。

 今回、これらの企業、団体からの御協力の下、「鈴木よねさんからの贈り物」と題した招待事業を実施し、来年が神戸開港156年に当たることから、神戸市を通じ、156名の教育・港湾関係者、そして観光ボランティアの方々を無料で招待いたします。

 今回の舞台では、大番頭の金子直吉の指揮の下に新たな事業に挑戦していく姿や、当時の社員の熱量とスピード感を見事に再現しております。実は、私は2018年に本舞台の初演の際に鑑賞し、当社社員のみならず、創業の地である神戸の皆さんにもぜひ見ていただきたいとの強い思いから、多くの関係先に御理解と御協力をいただき、今回の公演に至りました。

 鈴木商店の物語は、様々な示唆を与え、次世代を担う若者たちにも勇気を与えるものであります。ぜひこの機会に鈴木商店の歴史を皆さんに知ってもらい、未来に向けて考える種になれば幸いです。

 双日は、本年4月に当社が運営するエキソアレ西神中央において鈴木商店の紹介パネルを設置し、また、本年6月に鈴木商店を含む双日の歴史漫画を発行しました。この漫画は、こども本の森神戸の名誉館長である竹下景子さんを通じ、神戸の各図書館に寄贈するなど、皆さんに鈴木商店を知ってもらうための取組を行ってきました。本舞台に合わせて、神戸市においても鈴木商店関連の企画を予定していただいており、当社もゆかりの企業の皆さんと共に御協力させていただきます。

 私からは以上です。

司会:

 ありがとうございました。

 それでは、続きまして、神戸市の久元より神戸市の取組について御説明させていただきます。よろしくお願いいたします。

久元市長:

 今、藤本社長からお話がありましたように、鈴木商店、神戸と大きな関わりがあり、今回御紹介がありましたような公演事業を行っていただくことになりました。これまでの取組といたしましては、2017年度(平成29年度)、神戸開港150年の記念事業といたしまして、鈴木商店本店跡地に、辰巳会鈴木商店記念館からの寄贈によりましてモニュメントが設置をされました。また、デザイン・クリエイティブセンターKIITOでも企画展が実施をされたところです。

 翌年以降も鈴木商店をテーマにした勉強会やシンポジウムが開催をされました。今回の公演を契機に、神戸市としての取組をこれから御紹介させていただきます。

 初めに、神戸港と鈴木商店を語る会です。舞台演劇の公演期間中、来年の4月22日と23日に、公演の合間を縫う形で、神戸港と鈴木商店を語る会と題するシンポジウムを開催いたします。

 有識者による基調講演、それから有識者や協賛企業のパネリストによるディスカッションを予定しております。写真は2019年の講演会の様子ですけれども、大変盛況でした。

 2番目が、鈴木商店ゆかりのまち歩きです。神戸市は、神戸の近現代史を紹介するBE KOBE近現代史プロジェクトを実施しておりまして、このプロジェクトの一環といたしまして、ウェブに特設サイトを設け、今回、鈴木商店ゆかりのまち歩きを企画いたします。

 9月に神戸市立神港橘高校の生徒の皆さんが鈴木商店について学び、今月の15日には神港橘高校の生徒、学校関係者と市職員の有志がグループに分かれてゆかりの地を実際に歩きました。

 これをガイドマップにまとめ、1月にまち歩きに参加する市民の皆さんも一般公募し、ガイドマップをもとに、3月に市民参加型の「まち歩き」を実施したいと考えています。4月にはKIITOの三宮図書館で活動報告も行う予定です。

 3番目は、ゆかりの資料・図書の展示です。神戸市立博物館には、鈴木商店傘下の企業、太陽曹達を前身とする太陽鉱工株式会社所蔵の歴史的資料21件が寄託されておりまして、博物館内の展示コーナーで4件を一般公開する予定です。この写真の左側の金子直吉書簡は、金子直吉が高畑誠一ロンドン支店長に長さ約6メートルの書簡を送っているわけですけれども、「三井三菱を圧倒するか、しからざるも彼らと並んで天下を三分するか、これ鈴木商店全員の理想とするところなり」と記されております。

 写真右側の船鉄交換契約記念時計は、第一次大戦による造船需要の中で、金子直吉が交渉に当たり、日本が建造する船とアメリカの鋼材を交換する船鉄交換契約が成立をし、これを記念いたしまして駐日アメリカ大使から贈呈をされたものです。

 神戸市立三宮図書館では、鈴木商店関連図書を展示いたします。神戸市立図書館は、1911年、明治44年に開館をいたしました。鈴木商店の関連図書は書籍、地図など90タイトルで、鈴木よねの寄贈本約360冊、1918年、大正7年の米騒動による本店焼き討ちや、1927年、昭和2年の経営破綻を扱った新聞記事など多数収集し、保存をしております。4月にKIITOに仮移転をした三宮図書館のエントランスに寄贈本や金子直吉ゆかりの本など一部を陳列して展示するほか、鈴木商店関連図書の紹介パネルも掲示をいたします。三宮図書館内には鈴木商店本コーナーを設置する予定で、館内で閲覧や貸出しが可能となります。

 博物館の寄託品や関連図書の数々は歴史的価値が非常に高く、ぜひ博物館や図書館を訪ねていただきまして、神戸に蓄積された歴史・文化に触れていただければと思います。今後も神戸市は、神戸で創業し、近現代の我が国産業に革命を起こした鈴木商店の開拓精神を伝えていきたいと考えております。

 以上です。

質疑応答

記者:

 藤本社長に1点伺いたいと思います。御社はエキソアレであるとか、最近でいうと塩屋の市営住宅の跡地のにぎわい創出とか、総合商社でありながら、かなり地域密着の事業を神戸で展開されていますが、当然、鈴木商店が源流であるということはあると思いますが、そういった神戸にコミットすることによって、会社としてビジネス上、それから社員の士気等、どういった効果があるというふうに考えていらっしゃいますでしょうか。

藤本社長:

 やはり神戸を源流とする当社、鈴木商店ということなんですが、鈴木商店と一緒になった岩井商店も神戸を源流としていまして、また、合併したニチメンという会社も神戸を源流としております。3社合併したわけですが、全て神戸を源流とする会社の集まりでございまして、やはり社員全体に神戸という地をもっと分かっていただきたいというのと、愛していただきたいということもありまして、神戸のプロジェクトについて、いろいろ参加させていただいております。

 これは神戸から発展していった日本ということを皆さんに知っていただきたいなと。たまたま数年前に渋沢栄一という大河ドラマがございましたが、ちょうど渋沢栄一さんがやったことと鈴木商店の金子直吉さんがやったことって随分交錯しております。いろんなディールもお互いの間でありましたし、そういうことも含めて、そういう神戸を中心とした日本の歴史の発展を皆さんに知っていただきたいということで、6月から神戸、鈴木商店にちなむ、双日にちなむ漫画の作成を開始しております。

記者:

 藤本社長に、続けて恐縮ですが、「彼の男十字路に」の演劇のほうなんですが、こちら、御自身でお考えになっている見どころはここですというようなところがもしありましたら、教えていただきたいんですが。

藤本社長:

 この芝居の中で中心となっておりますのは、人工絹糸という、帝人の本になる人工絹糸を開発するということに対する金子直吉さんの本当に熱意、それからもう1つは、久元市長からお話にありました天下三分の書というのがございますが、高畑誠一さんに送った、三井、三菱に負けてならんといった上昇志向といいますか、そういう熱量、それから最後は破綻する、焼き討ちに遭うところのドラマというか、こういったものが詰まった、非常に印象的な面白い作品であると思っております。

記者:

 余談みたいになって恐縮ですが、御自身のビジネス観なんかにも影響したりするんでしょうかということなんですが。

藤本社長:

 私ども双日もHassojitzということで、新しいこと、新しい発想を実現していくということで、新しいものに取り組むことを推奨しております。これはやっぱり鈴木商店、金子直吉さんの新しいもの、技術を開発していくんだというところを源流としたものであるというふうに考えております。

記者:

 藤本社長にまた伺いたいのですけれども、鈴木商店という巨大な、大きな商社が今の複数の大企業の源流となっていて、それはその時代に幅広い事業展開をしてきたというすばらしい栄光があるとともに、その後急速に破綻してしまうという負の側面もあったのかと思うのですけども、そういった全般を踏まえながら、商社事業として何を鈴木商店から学び取っているか、その辺の思いというものがもしあればお願いいたします。

藤本社長:

 商社というのが、皆さん方からよく言われるんですけど、総合商社って今後、これからの時代にどう変わっていくのかとか、どういうふうになっていくのかということにつきまして、やはり鈴木商店の歴史をひもといていきますと、まず、鈴木商店は砂糖とかピートとかを扱う貿易商として創業いたします。それから日本の近代化の中で、鉄が必要ということで神戸製鋼や、それから造船ということで石川島播磨さん、それから鳥羽造船さん、今のシンフォニアということになりますが、そういう会社を興して、成長させて、日本の産業革命に貢献したと。それから、こういう会社がどんどん、やはり時代が進むにつれて、日本国内だけでなく、自分たちがつくったものを輸出していくという、世界のマーケットに広げていくという時代になったときに、商社がやっぱり先兵となって、そういうものを輸出していったと。そういうふうな流れの中で、商社というのは日本の発展というものに貢献してきたということでございます。

 我々商社というのは、今、我々が申していますマーケットイン、要するに市場のニーズを敏感に感じ取り、社会課題に対するソリューションを提供する会社ということで、今、中計2023というのをやっておりますが、我々の生きる道というのは、やはり現場にあるんだということをしっかりと、世界の中の商社になるということで、基本的には、インドならインドの必要なもの、必要な技術、そういったものを輸出したり輸入したりできるような、そういったグローバルな商社になりたいということで考えております。

記者:

 ありがとうございました。

 すみません、もう1点なんですけど、今後の展開として、さらにこういう、鈴木商店の業績をアピールしていくために、次なる計画というか、考えていらっしゃることはあるんでしょうか。

藤本社長:

 取りあえずはこの講演をやった後に、今漫画、2冊まで出していますが、これが6冊ぐらいになるかと思います。それで皆さんに知っていただきながら、その次の手というのはまた考えていきたいなと思っています。

記者:

 一連の取組は、なぜこの時期にという、あれなんですけれども、再来年150周年になるとか、そういう時期に合わせてこういう取組を今されているんでしょうか。

藤本社長:

 150周年になる、150年になるということよりも、もともとは2020年、コロナで、2020年にこの講演を実は考えておったわけなんですけど、それがコロナで飛んでしまい、そういう話の中で、2年たって、コロナがようやく明ける兆しが出てきたということで、ウィズコロナということで、じゃあ、お芝居もできるだろうということも含めて、皆さんに元気になっていただきたいなということで計画しまして、来年の4月ということになりました。

記者:

 市長にお伺いします。鈴木商店が、いろんな企業を生んで、その企業にはDNAが残っているかと思うんですが、例えば神戸市という地域ですね、鈴木商店をはじめ、いろんな商社とか企業がたくさん集まって活気を生んだ、そういう昔のDNAが、今どんなふうに残っていて、それを今後どんなふうにまちづくりに生かそうというふうにお考えでしょうか。

久元市長:

 今、藤本社長がおっしゃいました鈴木商店のチャレンジ、日本がどんどん発展していく、試練の時代でもあったと思うんですが、そのチャレンジ精神というものはすばらしいものであったと思いますし、それは当時の神戸市、それから神戸の市民性、もちろん神戸の経済界に非常に大きな影響を与えて、相乗効果で神戸が発展していく、そして神戸市政のいろいろな、まちづくりに対する取組や経済振興策ということも相まって、神戸が100万都市、日本を代表する都市に成長していく、まさにその原動力というものが、鈴木商店がこの経済活動を行った時期にあったというふうに思いますから、そのDNAというのは間違いなく、その後も引き継がれたと思います。

 しかし、時代は大きく激動しまして、戦争の足音が近付き、戦争の時代になり、空襲で壊滅的な被害を受け、焼け野原の中から神戸が復興し、そして震災があって、震災を乗り越えてきたというのが神戸の歴史ですね。ですから、それがそのままの形で脈々と受け継がれてきたのかというと、そこは議論があるところだと思います。しかし、その精神性というものは、やはりいろいろな形で、試練があればこそ、やはりそういう意識や、あるいは精神というものが、やはり時代の変遷の中で形を変えながら、我々の中にあるのではないだろうかということと、そのこと以上に、やはりもう1回、双日さんがこういうすばらしい取組をしていただくということを契機として、我々は鈴木商店の当時のビジネスあるいは活動から相当学ぶものがあるのではないだろうか。これ、未来に向けて我々が、特に経済界の皆さんがいろんなビジネスを展開されていく上で、学ぶべきことというのは相当あるのではないだろうか。市民もそうですし、行政もやはり学ぶべきものがあるのではないだろうか。そういうような機会の提供を双日さんと一緒に、神戸市も一緒に提供させていただく機会になればいいというふうに思います。

記者:

 市長と社長にもう一度お伺いしたいんですけど、このタイミングというか、この時代に鈴木商店にもう一度スポットライトを当てて、再発見してもらうということの意味というのはどういうふうに考えられているんでしょうか。

久元市長:

 明治から大正にかけての、鈴木商店がまさに神戸で、巨大で、すごく躍動感のあるビジネスを展開していた時代というのは、発展の時代であったとともに、大きな試練の時代でもあったと思うんですね。大きなリスクに挑戦していた時代だというふうに思います。第1次世界大戦があり、まさにこれ、戦争ですよね。そして、その後には約3年余りにわたってスペイン風邪が起こる。そして、神戸は当時、日本を代表する大都市でしたから、様々な社会課題、あるいは不安心理のようなものもあって、いろんな社会問題が発生し、労働争議も頻発する時代でもあった、そういう言わば試練と危機の時代でもあったわけです。

 そういうような時代に焦点を当てて、さっきもおっしゃいましたけれども、そこから我々は学び取るものというのはたくさんあるだろう。当時の鈴木商店から、あるいは鈴木商店を担った人々から学ぶ事柄がたくさんあるだろうし、当時の神戸市や当時の神戸経済の姿から学ぶべきこともたくさんあるだろうというふうに思っています。

藤本社長:

 鈴木商店がいろんな会社をつくって発展、産業革命に寄与していったということもございますが、今、神戸市のほうも、ポートアイランドですか、あそこでいろんな、メディカルセンターや、スタートアップを中心とする研究施設、こういったものを展開しておられます。

 また、その中には当社も出資しております神戸大学発祥のシンプロジェンやバッカスといったスタートアップの会社があり、これは、今後、やっぱり今までの石油化学を中心としたケミカル(化学)事業から、1つ、バイオを中心とした化学技術というものを発展させるための研究を行っていらっしゃると。こういった時代が転換するとき、まだまだ時間はかかるかもしれませんが、そういったものをこの神戸の力、もっともっと皆さんに注目していただいて、応援していただいて、時代を変えて、その最先端に立っていきたいと、こういう思いがございます。

記者:

 久元市長に1点だけ伺います。久元市長がお考えになる鈴木商店の魅力というのはどこでしょうか。

久元市長:

 鈴木商店の流れをくむ、まさに直系の双日の藤本社長の前でお話しするのは大変おこがましいとは思うんですけれども、やっぱり当時も危機の時代だったと思うんですよ、ある意味。さっき申し上げましたけれども、いろんな意味で危機の時代だったけれども、その危機に対して真正面から立ち向かって、非常に大いなる想像力とチャレンジ精神でもって、世界を相手に仕事を展開したということが非常に大きな魅力です。

 そして、このことは、当時は戦争の時代でもあったわけですが、今も残念ながら予期せぬ戦火が交えられている。北朝鮮から今日もICBMが飛んできて、そういう不安の時代であるわけですね。それで、さっき申し上げましたけれども、スペイン風邪が流行した時代でもありましたが、今、我々はコロナと闘っている。そして、グローバル経済も大きく激変しているという時代なんですね。もちろん時代背景、あるいは、状況は違いますけれども、非常に難しい時代に我々は生きているわけで、そういう時代であるからこそ、鈴木商店とその時代の人々が取った行動、挑戦、あるいは危機と立ち向かう、真正面から立ち向かう姿勢というものは、我々に非常に大きな資産を与えてくれるのではないかというふうに思います。

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市長室広報戦略部