最終更新日:2023年1月27日
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司会:
それでは、1月、2回目の市長定例会見を始めさせていただきます。
市長、よろしくお願いいたします。
久元市長:
よろしくお願いいたします。今日、お話を申し上げたい案件は4件です。コロナへの対応、それから神戸登山プロジェクト、北区に新たな建設事務所を設置することにいたします。4番目に、新たな人材獲得戦略に関する懇話会を開催いたします。
コロナへの対応ですが、今日の感染者数617件ということで、先週よりも減っています。1週間当たりの感染者も減少傾向が見られます。まだ全体としては高い水準にあろうかと思いますが、傾向としては減少傾向にあるということは言えようかと思います。現在の病床の使用率60%、重症者の方は6名ということで、現在のフェーズはフェーズⅤという状況です。
ワクチン接種につきましては、市全体の接種率、オミクロン株対応ワクチンの接種実績は36.9%、高齢者、65歳以上の方については65%ということで、若年世代になるにつれて接種率が減っているというのが現在の状況です。これまでと大きな違いはありません。全体としては、入院に困難を来すような事例は見られませんし、重傷者も低い水準にとどまっていると。国のほうは、この感染症としての分類を2類から5類に変更するという方針を決めたと。5月8日からこれを実施するというふうに決めたと報じられています。この国の動向もしっかりと注視をしながら、神戸市としてコロナ対応をしっかりと行っていきたいと考えております。
2番目が神戸登山プロジェクトを始動させたいと。神戸は登山が昔から盛んな町だったわけですけれども、これにさらに磨きをかけて、市民の皆さんの健康づくりにも役立てていただく。また、新たな神戸の魅力としてこれをつくり上げ、観光戦略にも使っていくと、こういう神戸登山プロジェクトを進めていきたいと考えております。
神戸は、港町神戸、港湾都市としてのイメージが強いわけですけれども、海を望む山々、そして里山のエリアには魅力的な山があります。六甲山系、それから北区には丹上山系、西区には雄岡山、雌岡山というような山があります。私も時々こういうエリアに出かけますけれども、大変魅力的で心が洗われるような気持ちになります。
神戸の山には歴史があります。平安時代からこの布引の滝に見物に来たというエピソード、これは伊勢物語でも紹介をされておりまして、古くから神戸の様々な山々にいろいろな人々が、貴族や庶民、大名や武士、商人、いろんな人が訪れたということが記されております。
明治に入って開港してからは、外国の皆さんが神戸に来られて、神戸の滞在の中で登山を楽しむようになりました。神戸の登山は外国人、特に欧米人の方々の習慣の中で育まれてきたという歴史があると言われております。そういうような欧米人の方々の習慣というものが神戸市民の中にも広がりまして、毎日登山という言葉がありますが、毎日、登山をして、そして健康づくりに役立てる。登山の途中で、茶屋で朝食を取る人、それから体操をする人、神社に手を合わせて参拝をする人、いろいろなスタイルで神戸の登山が楽しまれています。こういう登山の習慣というものは、地域の学校の教育にも影響を与えて、学校行事として、オリエンテーリング方式で六甲山の登山が行われてきたということも言われております。こういうふうに、神戸では古くから登山が文化として定着をしているというふうに考えられています。
ところが、現状は様々な問題があります。1つは、神戸は大雨で山が崩れるということがあって、登山道がしばしばこの被害を受ける。通れなくなる。崩落をする。そしてそれが長い間放置されている。なかなか手が回らないというようなことが従来からあります。
それから、残念ながら、長い年月の間でこういう登山ルートの中にある様々な家屋、例えば別荘ですとか、あるいは茶屋ですとか保養所ですとか、そういうような建物が老朽化して朽ち果てているという、そういうような物件が山の中に放置されているという状況があります。それから、登山道は張り巡らされていますから、たくさんの案内板があるわけですけれども、この案内板がなかなか手が行き届かないというような面があります。
こういうことと関連があるのかもしれませんが、登山をする方が減少傾向にありまして、特に登山を楽しむ方は、シニア世代の皆さんが多い、中心になっている。若い世代の皆さんがなかなか登山を楽しむということが少なくなってきているということも課題としてあろうかと思います。こういう現状をぜひ改善をしていきたい。多くの皆さんに、神戸市民の皆さんにも、若い世代の皆さんも含めて登山に楽しんでいただいて、神戸の魅力であるこの山に親しんでいただく。そして、外からも神戸で登山をしたいというような方を多く招いて、そしてこれを観光戦略として位置づけていくと、こういう取組みをしたいということで、神戸登山プロジェクトを始動させたいと考えております。
このプロジェクトの具体的な方策ですが、1つはやはり玄関口をつくりたいと、神戸登山の新たな玄関口をつくりたい。そこの玄関口として、今もそういう役割を果たしているのがこの新神戸駅なんです。新神戸駅は神戸の玄関ですけれども、この新神戸駅のホームに立ちますと、すぐ裏は山になっていて、そして布引の滝、もっとその上流から流れ出た川に、夏などは子供たちが遊んでいるような風景があります。新幹線の駅のホームから、こういう子供たちが川で遊んでいるような風景がある場所というのは、国内でもそんなにないのではないかというふうに思います。そして、ここからすぐ裏は布引の滝ですし、神戸に来られた外国人の方、あるいは神戸に住んでおられる外国人の方もこの布引の滝の散策を楽しむ方はたくさんいらっしゃいます。
そこで、この新神戸駅に新たな登山拠点を新設したいと考えております。おかげさまでJR西日本さんとも調整がつきまして、この新神戸駅の中に一定のエリアを確保することができそうです。そこでは、登山情報の案内のほか、登山グッズのレンタルとか、あるいは山の関係の物販とか、登山に関する情報がここでかなり分かると、こういうような拠点をつくっていきたいと思っております。
まず、簡易な形でこれを今年の早い時期に確保いたしまして、そして2025年の万博までに本格的な拠点として整備をしたいというふうに考えております。
もう1つの取組みは、登山をする過程で、ちょっと一休みできる休憩スポットです。登山道に、この休憩キャビンをつくっていくと。この休憩キャビンでは、気軽に立ち寄って一休みをしたり、憩えるようなスペース、できればトイレなどもつくれればいいわけですけれども、こういう休憩キャビン、それからこの休憩キャビンを、行政としてこれをいっぱいつくるということはなかなかできませんが、登山前、あるいは登山後に、山を下りてきて気軽に立ち寄ることができるような、そういうような場所として、例えば銭湯とかコンビニとか飲食店、そういうようなところに協力をしていただいて、登山サポート店というような仕組みをつくる。ここで大きなリュックを抱えたまま休憩をしたり、トイレをお借りしたり、そういうようなサポート店をたくさんつくっていくと。これで、登山客の皆さんには、非常にこれは便利になるのではないかというふうに思います。
もう1つは、この神戸の登山に新たな魅力を加えていくということです。これはいろんなアプローチがあろうかと思いますけれども、今、1つ考えられているのは、つくはら湖です。このつくはら湖の湖面利用をすることができるようにいたしまして、カヌーとかカヤックを楽しんだりできるようにする。今は湖面に下りられないわけですけれども、これは兵庫県も全面的に協力していただけるというふうにおっしゃっていただいているんですけれども、湖面に下りていって、水遊びとか船遊びを楽しむというようなスタイルですよね。このつくはら湖周辺は、既に神出山田自転車道が再整備、リニューアルをいたしまして、サイクリングターミナルもあります。BE KOBEのモニュメントもあります。そしてここが、先ほど紹介いたしました丹生山系になっていて、これは隠れた人気登山スポットなんです。ですから、ここが新たな観光スポットとして脚光を浴びていくというような可能性も十分あるのではないかと思います。
それから、大事なのは登山道のメンテナンスです。なかなか従来のやり方、従来のやり方は、建設局の森林整備事務所で登山道の崩れたところを直すということをやっているんですけども、正直なかなか手が回りません。そこで、この登山道の整備、メンテナンス、点検、維持補修、こういうところを民間にお願いをして、アウトソーシングをしていくという、企業の参画による新たな管理ということを考えていきたいというふうに思っています。スピード感を持って、登山道の維持補修をしていくということです。
さらに、案内板につきましても相当古くなっておりますので、これを、できればエリアによって統一的なデザインを作って、場合によったら二次元コードつきの案内板を整備して、二次元コードから様々な周辺情報などが読み取れるようにすると。場合によったら、ここから先はもう今、崩れて行けませんよといったような案内ができるようにできればというふうに考えております。
こういう安全安心な山歩きを考えたときに、アプリの活用が考えられます。株式会社YAMAPが提供している登山用GPS地図アプリ、YAMAPがあるわけですけれども、協力をいただきながら、このYAMAPには登山者が様々な書き込みをすることができるようになっているわけです。そういう情報を行政が収集いたしまして、危ない登山道、既にもう崩れているような情報ということをタイムリーに収集をいたしまして、そして、この登山者の活動記録も併せて分析をする。どういうところで道に迷う、場合によったら遭難するということがあるわけですけれども、そういうことが発生しやすい、言わば分岐点を特定いたしまして、そういうところに案内や標識を立てると。このことによって、遭難を防ぐことができるというふうに考えられます。
実際に消防局が出動をしている、遭難を含む、道に迷ったという件数は、年間大体30件以上にのぼっています。こういうところを防ぐことができれば、消防のこういう負担も軽くすることができます。さらに、先ほど申し上げました老朽危険家屋、この老朽危険家屋がかなりありますが、まず、これがかなり集まっているエリアがありまして、4か所、六甲山の山上、それから青谷道、上野道、それから布引周辺、それから大師道ですね。こういうところを重点エリアといたしまして、神戸市の持つ老朽危険家屋解体助成、これも活用していただきまして、老朽危険家屋をなくしていくと。こういうことに取り組んでいきたいと考えております。
神戸の観光というのは、これは以前から感じていたんですけれども、特別の文化遺産というものがあるわけではありません、神戸の場合には。やはり、神戸の市民が普通に日常親しんでいる、あるいは楽しんでいる習慣ですとか、あるいは神戸市民のライフスタイルを来街者にありのままに提供して、同じような経験をしていただくというのも、神戸のふだん着の観光として、これはあり得るのではないだろうかというふうにかねがね考えておりまして、神戸市民が親しんでいる神戸登山のスタイルを、来街者の方にも、外国の方にも楽しんでいただいて、インバウンドを呼び込む新たな契機にしていくことができればというふうに考えているわけです。
市民に愛されてきた神戸の山々を、インバウンドの観光客の皆さんも含めて、より多くの皆さんに楽しんでいただければと考えています。こういうプロジェクトについて、様々な御意見を寄せていただいて、これを多くの方々の意見を取り入れながら進めていきたいというふうに考えております。
3番目のテーマが、北区に新たな建設事務所を設置いたします。建設事務所の役割は、大変重要です。道路、あるいは公園の維持管理を一手に引き受けてやっていただいているというふうに申し上げていいかと思います。道路の不具合、陥没しているとか、ひびが割れているとか、側溝が壊れているとか、それから道路の管理です。雑草を除去したり、壊れている遊具を直したり、ベンチを新しくしたり、そういう市民に非常に近いところで仕事をしていただいているわけです。同時に、この建設事務所の大きな役割は、災害が発生したときに出動をして、道路を通行止めにしたり、あるいはのり面が崩落するということはしょっちゅうあるわけですけれども、そういうところをいち早く発見して、素早く対応をする、復旧にもつなげていくと、こういう大きな役割を果たしています。
神戸市内には6か所の建設事務所がありまして、東灘区と灘区を管轄する東部建設事務所、これは東灘区にあります。それから、兵庫区と中央区を管轄する中部建設事務所、それから長田区と須磨区を管轄する西部建設事務所、垂水区を管轄する垂水建設事務所、西区を管轄する西建設事務所、そして北区の北建設事務所です。この中で、特にこの北建設事務所には非常に大きな負担がかかっています。
何といいましても、面積が広いわけです。北区の事務所ごとの管轄面積は神戸市の43.1%を占めております。さらに加えて北建設事務所は山間部が多いわけですから、土砂災害がこれまでも数多く発生しています。この写真は2014年の8月の台風11号のときの河川の近くを走っている道路が崩落した状況ですけど、こういうことが大雨あるいは台風のときにしばしば発生しているわけです。
そして土砂災害の警戒区域、イエローゾーン、それからレッドゾーン、この箇所数は、北区は併せて1,285か所ということで、全市が3,410か所ですから、4割を占めています。
こういうことで、北建設事務所は、やはり面積の広さ、それから災害の発生の頻度、その影響の大きさということを考えたときには、やはり今の1建設事務所だけでは十分ではないという認識に立ち至りまして、2つ目の建設事務所を設置いたします。
現在、北区には、全国で神戸だけだと思うんですけれども、2つの区役所があります。岡場にある北神区役所のエリアと鈴蘭台にある北区本区のエリア、2つに分かれている。それぞれの区役所がそれぞれのエリアを管轄、所管しているわけですけれども、現在の北建設事務所は北神区役所の管轄である唐櫃にあります。新たにつくる2番目の建設事務所は箕谷の近く、つまり、本区のエリアにつくることにいたします。ここは箕谷インターチェンジに近い神戸市道路公社所有の土地です。ここに新たにつくることにいたしまして、現在の北建設事務所は北神建設事務所に名称を変更いたしまして、新たに北建設事務所を箕谷につくるというふうにいたします。
こういう形で、2つの建設事務所の体制によりまして、市民からの通報に対して迅速に対応できるようにいたしますし、防災体制もこれによりまして強化されることになります。いち早く災害の現場あるいは災害が発生するおそれがある場所に急行することができるようになります。
スケジュールですけれども、2023年度、2024年度に設計を行いまして、2025年度、2026年度に建築施工を行い、2027年度から2つの建設事務所体制で仕事をスタートすることができるようにしたいというふうに考えております。
最後に、新たな人材獲得戦略に関する懇話会です。
12月の定例記者会見のときに、新たな神戸市の人材戦略を発表いたしました。安定志向を求める人材では、やはり神戸市が抱えている課題に対して対応することができない。安定志向というのは大事な面がありますけれども、やはりそれだけではなくて、新たなチャレンジをしていく、そういう人材が神戸市は求めています。世の中の大きな流れが、転職をすることによってスキルアップをするということを求める、そういう傾向も強くなっている。そういうことを考えれば、やはり経験者採用の皆さんに、もっと神戸市役所に入っていただきたい。そういうような考え方で、2024年4月に神戸市に入庁する、つまり、2023年度の採用試験からは、新規採用と経験者採用を半分半分にするという方向性を発表いたしました。あわせて、ジョブ型雇用を大幅に拡大するということ、それから、インターンシップについても、さらに充実させる幾つかのタイプのものも新設するということを申し上げました。
この中で、特に経験者採用とジョブ型雇用については、これまでにない領域に踏み込んでいくことになりますから、どういう方法でこれをするのか。より具体的に言いますと、経験者採用試験というものをどういう形で行うのか。何に着目をして、どういう方法でその人材を見極めるのか。こういうことについては、やはりこの分野の専門家の方に入っていただく必要があると考えまして、新たな人材獲得戦略に関する懇話会を設置いたします。
委員は、1人は朝比奈一郎氏。青山社中の代表でビジネス・ブレークスルー大学大学院の客員教授をされています。2人目は太田肇氏。同志社大学の教授で、ジョブ型雇用などの新たな雇用形態に関する第一人者でいらっしゃいます。3番目が加瀬澤良年氏。株式会社ビズリーチ。転職サイト「ビズリーチ」の運営等を行い転職者の支援をする会社を経営されている方、会社の特命プロデューサーです。4人目が霞が関の出身、髙原剛氏。総務省の公務員部長なども経験いたしました、地方公務員制度のプロです。内閣官房副長官補で退官された方で、神戸市役所にも勤務経験がおありです。こういう方々に懇話会の委員に就任していただきまして、早速、来月8日に1回目の会合を開き、3回ぐらいで方向性を出していただきまして、その状況を踏まえて、2023年度の経験者採用それからジョブ型雇用を実施していきたいと考えております。
私からは以上です。
※会見での説明の様子
記者:
登山のことで少し伺いたいんですけれども、登山道の途中に休憩キャビンを整備される。これ、時期とか、何年ぐらいまでにと決まっていれば教えていただけますでしょうか。
久元市長:
これは今、2023年度予算を編成しているところでして、予算の中で箇所数などは明らかにしていきたいというふうに考えております。まだちょっと今の段階では、何か所というところまでは確定しておりません。
記者:
数と時期はまだ未定ということ。
久元市長:
予算の中で明らかにしたいというふうに思っております。
記者:
分かりました。では、カヌーとかこういう楽しみ、つくはら湖のアクティビティー、これも施設なんですかね。これも時期だったり詳細はまだこれからということ。
久元市長:
これはできるだけ早くやりたいと思っています。この話を齋藤知事にしましたら、「全面的に協力させていただきます」と。つまり、この道路やサイクリング、神出山田自転車道のどこかから湖面に降りられるような施設をつくって、そこで民間の方に、こういうイメージでカヌーなどを楽しんでいただくような、そんなイメージですね。できれば、2023年度からできればというふうに思っております。
記者:
整備の工事みたいなのは、できれば始める。
久元市長:
そんなに大きな工事は要らないです。降りられるようにすればいいわけですから。もちろん一定の整備は要ると思いますけれども、そんな大規模な工事が要るわけではないというふうに思います。
記者:
登山のところで、登山道近くの朽ちた建物だとか、そういう話がありましたけれども、そういう建物はどれぐらいあると今のところ把握されているんでしょうか。
職員:
山の中ですので、正確な数字ということではないんですが、我々の見たところ、40件以上はあるのではないかなと考えています。
記者:
ありがとうございます。それによって、市民の方から通報があったりだとか、けがに遭われたような状況は特には今のところはないんでしょうか。
職員:
けがをされたという通報は少ないんですけども、やはり美観を損ねるとか、万が一のために撤去を進めていきたいと考えています。
記者:
あと、北区の建設事務所のところなんですけれども、結構な件数を抱えているということですが、今の段階では対応できていないという感じなんでしょうか。
久元市長:
必要な対応はできているというふうに思いますけれども、やはりほかのところに比べれば、面積の広さ、それから災害危険箇所の数、それから道路などの環境というのがかなり建設事務所の対応としては大きな負荷がかかっているということは間違いがありませんから、これを改善していくということが先ほど申し上げたような観点から必要だというふうに判断をしたということです。
記者:
早急に対応しなければならない箇所から対応していって、間に合っていないというような感じではないという感じ。
久元市長:
もちろん災害が起きたときには職員が全力で対応しておりまして、この今の体制で、本来発生しなかったはずの災害が発生したということはないというふうに思います。しかし、今の状況を考えれば、明らかにこれは体制の強化が必要だということです。
私自身はこの北区の建設事務所の体制は不十分だというふうに考えてきまして、職員の増員なども行ってきましたけれども、やはり災害が多発をしていると。神戸市内では幸いここ数年大きな災害は起きていませんが、ほかの地域の状況を考えれば、これはしっかり準備をしていかなければいけない、体制の強化をしていかなければならないということは自明のことで、ここ数年、相当庁内でも検討をして、どこにつくるのかということも含めて作業してきたわけですけれども、この時期に、つまり来年度の組織体制、そして予算を検討している時期に、これを最終的に庁内で調整して、今日発表することができるようになったということです。
記者:
最後に、新型コロナウイルスの関連なんですけれども、5類への引下げで、まだ対応不透明なところもたくさんあると思うんですけれども、今のところで予定しているような具体的な対応というのはございますか。
久元市長:
もちろんこれは、コロナ対応というのは全体として法定受託事務で、国の役割に属する仕事を自治体が実施している、保健所設置市としても実施をしているということですから、国の方針を持って対応したいというふうに思います。
記者:
登山なんですけれども、JR新神戸駅舎内に登山拠点を新設ということなんですが、これは、もうちょっと具体的に、どの辺りに出すとか、ブース型にするとか、あと、具体的な、今年からちょっとずつお始めになるということですけども、何月ぐらいからとか分かっていたら、その範囲で教えてください。
久元市長:
まず、40平米ぐらいの場所を確保したいとまずは思っています。まず簡易なものをあの場所につくって、神戸の登山に関する、特に布引周辺の情報を提供すると。できれば市内全域、あるいは周辺の情報も提供できるようにしたいと。マップを用意したり、場合によったら登山靴の販売なども行えるようにできればというふうに思っています。
さらに、さっきも申し上げましたが、2025年の大阪・関西万博までに、できればこれを拡張できるかどうか、拡張できるかどうかというのはまだこれから交渉事になろうかと思いますが、さらに充実をした拠点に拡充することができればというふうに考えています。
記者:
登山靴のレンタルのほかに物販もという、両方を目指してらっしゃる。
久元市長:
できればレンタルと、物販もやれればというふうに思っております。
記者:
お店みたいな話になるんですかね。
久元市長:
そうですね。お店ですけれども、誰でも自由に入れて、来て、物を買わなくてもそこで情報が入手できたり、レンタルをできたりするような、オープンな拠点にできればと思います。
記者:
今年何月ぐらいからというのは。
久元市長:
何月頃というのはまだ未定です。
記者:
コロナについて伺います。5類への引下げについても言及ありましたけども、市長、以前から5類への引下げは慎重なお考えだったと思うんですが、このタイミングでの政府の引下げの判断という、このタイミングはどのように評価されますか。
久元市長:
この5類への引下げということについては、きちんと専門的な知見に基づいて、そして国民が理解できる形で行っていただきたいというふうにかねてから考えてきましたが、現時点での、これは報道ベースがメインですけれども、きちんと専門家の意見も聴取をして、大部分の専門家の方が、専門部会の意見などを見ますと、5類への変更というものが適切だということですから、これはそういう手順を踏んで国としてそういう方向を示された、時期も含めて示されたというふうに思います。
また、神戸市内の状況を見ましても、かなり日常生活に回帰しているというふうに思います。繁華街などの人出も、コロナ前に戻っているとは言えないですけれども、多くの方々がまちに出ている。それから、パーティーなども私自身も出ることが結構最近物すごく増えてきましたけれども、パーティーで飲食を楽しむということが普通の光景になってきました。市民感情として、コロナウイルスがいても、私たちの平穏な日常というものを取り戻そうと、経済活動と両立しようというような空気が広がってきているということは事実ですから、そういうことを考えたときに、今回の変更の方針というのは理解できるところです。
その一方で、やはり高齢者を中心に感染に対する不安というものがあります。この不安にしっかりと応えていかなければならない。これは、国が方針を出して、その方針を踏まえながら、保健所設置市として、また自治体として、これを行っていく必要があると思うんですけれども、やはり大きな課題は、感染が広がったときに医療提供体制をしっかり確保するということです。まず、この5類への変更に伴いまして、発熱外来以外の医療機関で受診できるようになるわけですけれども、その範囲がどうなのかということは自治体としては非常に大きな関心事です。
それから、感染が急拡大したときに、医療が逼迫しないような手当というものが、入院調整ということが行政の権限としてはなくなると思われますから、それに対する対応をどうするのかということ、ここはしっかり明確に方針を示していただくことが必要ですし、その方針に基づいて、神戸市としては万全の対応を取ります。
もう1つは、やはり特に感染を防ぐ方法として、恐らくマスクの着用ということは推奨されなくなるということになると、どういうふうにして感染を防ぐのか。やはりマスク以外の方法、もちろんうがいとか手洗いということは引き続き、これはインフルエンザからの感染を防ぐ意味でも大事だと思いますけど、やはり大きな役割を担うのがワクチンの接種ですね。このワクチンの接種については、3月までは今の方法でワクチンの接種を続けるというところまでは確定していますけれども、その後の方針というもの、ワクチン接種に対する考え方を、できるだけ早く具体的に示してほしいというふうに、国には要望をしています。これは指定都市としても、そういうことをしっかり対応しなければいけないと思います。
従来から、このワクチン接種については唐突に方針が示されたり、あるいは急に方針が変わったり、あるいは必要なワクチンの供給が滞ったりするということがありました。そういうことがないように、早めに、このワクチンの接種をどういう回数で、どういう種類のワクチンをどれぐらいの間隔で接種をすると、それから、どれぐらいの予告をもって、自治体に対してワクチンの供給をするのかという見通しをしっかり示す、こういうことをしっかりと、国においてできるだけ早く示していただくということが必要なのではないかというふうに考えています。
記者:
ワクチンに関する方針を早めにという要望ですが、指定都市会として出されるのでしょうか。
久元市長:
これは指定都市の中の、各市長の意見もありますから、今の段階で確定的なことは言えませんが、できれば指定都市市長会としても、合意が整えば意見を提出したいというふうに思っています。
記者:
4点目の人材獲得戦略の点なんですけれども、これは先日発表のあった方針について、意見をもらって、何かそれを生かして微修正するとか、そういう意味合いなんでしょうか。
久元市長:
この前方針を示しましたのは、これは神戸市としての方針を、これはもう決定といってもいいかもしれませんけれども、こういう方針で臨むことにしておりまして、特に経験者採用については、新規採用試験とはかなり方法が異なることになるはずです。対象年限は引き下げますけれども、企業なり、あるいは団体なりに、能力の実証に基づいて既に就職されている方が対象ですから、そういう方々の中から、神戸市として求める人材のイメージというのは、これははっきり、かなり申し上げてきたと思うんですけれども、そういうイメージに合う方をどういう方法で選抜するということ、どういう方法で募集をして、どういう方法で選抜するということが、一番目的にかなった人材を獲得することにつながるのかという具体論を示していただければというふうに考えています。
記者:
こちら、提言の内容は非公開ということなんですけれども、報告書とかも作成しないということなんですが、それは、採用の基準とかを明らかにすると採用活動に支障があるとか、そういう理由なんでしょうか。
久元市長:
1つは、例えばこういう企業がこういう方法で採用していますよということも、我々としては知りたいわけですけれども、それが公開になると、なかなかそういう情報もお話ししにくいのかなというようなこともありまして、大変申し訳ありませんが、議論自身は非公開にさせていただければというふうに思っています。
記者:
あと、登山の件で1点だけ確認なんですけども、湖の利用が今までされていなかったということで、これは何か規制とかがあってそういうふうになっていたんでしょうか。
職員:
農業用水のもとになりますということですので、そういった関係があったということ、それとあと、使えなかった理由として、やはり季節で水位が結構変動したり、水質の変動もあるということになります。ですので、モニターツアーで、そういったあたりがどういうふうにクリアできるかということも検証しながら進めていきたいなと考えています。
記者:
危険性みたいなものがないかどうかというのを調べるということですか。
職員:
危険性という面では、ほかの水域と大きく変わらないかもしれません。ただ、先ほど申し上げたとおり、水位があまり下がってしまうと湖面に下りれないとか、あと、季節によってはアオコが大量に発生して、ちょっとレジャーには不向きだということもあったりとかします。そういったあたりをモニターツアーで確認したいと考えています。
記者:
市長としては、こういった今まで活用されてなかった資源も、もう少し活用できるところはしていって、新たな観光ニーズとかにつなげていきたいという、そういう方針でいらっしゃるということでいいでしょうか。
久元市長:
そうですね。登山に付加するような楽しみ方というのができないかと。取りあえず考えられるのが、このつくはら湖。場所的にも、さっき申し上げましたように、近くに自転車道もあるし、丹生山系もあるし、非常にロケーションとしてはいいということでここに着目したわけですが、ここ以外にも新たな魅力を発見し、これに磨きをかけることによって、登山の魅力というものがさらに増すということができないか、これはまだまだポテンシャルはあるのではないかと感じています。
記者:
まず、コロナの5類の引下げの件で、市民生活への、今想定される市民生活への影響とか変化とかというのはありますでしょうか。
久元市長:
そうですね、まず、引き下げるということが決められたわけですけれども、この引下げに伴って、今は発熱外来に限定している医療機関が拡大されることになるわけですけど、これがどうなるのかということも含めて、まだよく分かりません。ですから、国の方針によって市民生活ということがどういうふうに変わるのかということが明らかになってくると思うので、今の時点では、ちょっとそこははっきり申し上げられないのかなと思います。
記者:
分かりました。もう1点、人材獲得戦略の懇話会なんですけど、先ほどおっしゃられたように、ちょっと企業の情報にも触れるということで非公開ということなんですが、最終的にそういった企業特有の情報に触れない形で、ざっくり面接を行うとか、筆記試験を設けるとか、そういった方式みたいなものを明らかにすることはあるんでしょうか。
久元市長:
この懇話会が終了した時点で何らかの方向性みたいなものはお示しをしたいというふうに思います。何か、きちっとした報告書を求めること自身が目的ではなくて、ここで出された意見を反映して、2023年度に、この経験者採用、ジョブ型雇用の試験をどう実施するのかということがポイントですから、そこに反映をするということが大きな目的です。
記者:
1つは、岸田首相が異次元の少子化対策ということで、今、国会で児童手当の拡充とか、このあたりが議論になっていますけども、市長としては、この少子化対策についてどんな評価をされておられるのか、いろんな政策として国がやるとか自治体がやるとか、あると思いますけど、どういった政策が有効だというふうにお考えなのか、そのあたり、聞かせてください。
久元市長:
そうですね、やはり子育て政策をボリューム感のある形で大きく拡充していくということは、やはり国の対応が不可欠です。ですから、そういう意味でまだ大きな方向が示されたわけでもありませんし、また具体的に示されたわけではありませんし、方策の裏づけとなる財源もどうするのか、まだ必ずしもよく分かっていません。ただ、大きな方向性としては期待をしております。特に児童手当の拡充については、所得制限を設けるのか設けないのか、これは長い経緯があって、今、論争も、民主党政権時代のときの議論も含めて論争は続いているようですけれども、やはりこれを拡充していただくということは、これはぜひ期待をしたいというふうに思います。
子育て世帯の経済的負担というのは、やはり大きいものがあります。今現実に、もう相当長い間、可処分所得がほとんど上がっていない中で物価高騰が続いているということは、子育て世代の経済的負担は非常に大きなものがあります。これを自治体が、相当幅広く行き渡る、かつ実感のある形でこれに対して現金給付あるいは現物給付で対応していくということは、かなり無理です。一部の自治体が数千円の給付金を配るということをやっておりますけれども、これは一過性にとどまる、あるいはそういうことをやる政治家の人気取りにとどまるケースが多いわけで、私は疑問です。やはり目に見える形でこれを実施していくのは国の対応というものが不可欠で、自治体はそのことを前提にして、自治体として本当に必要な対応を費用対効果が上がる形で実施をしていく。2023年度予算でもそういうことを、今、最終調整の段階にありますが、そういう意味からいうと、国の対応というものはボリューム感のある対応をぜひ期待したいと思います。
記者:
あともう1点、先日、ポートアイランドの再整備について東京藝大の藤村准教授から将来像の提案といったものがあったと思いますけど、市長自身は、その提案を見られてどのように受け止められたんでしょうか。
久元市長:
これは前もお話ししたことがあるかもしれませんが、ポートアイランドはまちびらきをして40年以上がたって、住宅も建設、そして住んでいる方もたくさんいらっしゃいますし、国際コンテナ戦略港湾、それから医療産業都市、大学や高校の立地、文教都市としての性格もあります。相当な集積が進んでいるわけですけれども、海上文化都市としての魅力が相当乏しいのではないか、もっと魅力を高めていかなければいけないということを問題意識としては非常に強く持っておりまして、これまでもいろんなリサーチをしたところですが、藤村先生には、専門家の見地からはどういう問題点があるのかということの調査をお願いしてきました。
そういう中で、今度は藤村先生のほうから、専門家としてこういう方向性があるのではないかという提案をしていただけることになりましたので、先般、藤村先生に提案をしていただいた。私も直接、藤村先生からお話を聞きまして、魅力のある提案だと感じています。特に「山、再び海へ」、そういうタイトルも、神戸のポートアイランドが生まれた経緯をしっかり踏まえて、また、今、神戸登山プロジェクトもそうですけれども、神戸の山や緑の魅力というものをもう1回再生していこうという方向性とも合致しておりまして、大変魅力的な提案だと感じています。
今度、3月にシンポジウムを開催することにしておりまして、これは神戸市が主催いたします。このときに藤村先生に改めて提案の趣旨を説明していただいて、ポートアイランドでビジネスを展開していただいたり住んでおられる方にも参加していただいて、また別の専門家の方にも参加していただいて、私も出席をさせていただこうと思っておりますが、そこでしっかりまずは議論をして、今後の方向性を探っていきたいと思っています。
記者:
先日の兵庫区の第2ひろみ荘の集合住宅の火災についてちょっとお伺いしたいんですが、今、緊急の査察中で、すみません、ほかの記者が市長囲みの取材の内容とかもちょっと把握しているんですが、現在、83棟が市内で対象となっていると思いますが、これ以上に増えるというのはありますでしょうか。
職員:
今回の緊急査察につきましては、一定規模の占有面積が小さい建物、さらには煙がこもりやすいような建物、こういったことで市内の対象物を絞り込みました。それが83対象でございます。現在、査察中でございますけれども、区役所との連携とかの中で対象物が増えたり、あるいは、その対象が実際に行ってみると該当ではなかったということもあろうかと思いますので、そのあたりは査察の中で多少の変更はあろうかなと思ってございます。
記者:
その査察の結果とかそういう報告とかというのは、まとめて報告書とか、何かそういうのが出たりする予定といいますか、そういうのはありますか。
職員:
2月10日までの予定でございますので、それが終わりましたら皆様に報告をさせていただきたいと思ってございます。
記者:
この建物の緊急査察からちょっと変わりまして、今、一時的に市営住宅とかのほうに利用の斡旋とかというのもありますが、そのまま例えば希望された方が何らかの支援を受けたりとかして、先は見通せないですけど、そのまま長期間にわたって住むというケースも生じてきたりはするんでしょうか。そのあたりはいかがでしょうか。
久元市長:
まず、直接、被害を受けられた方以外でここに住めなくなった方に対しては、建物の所有者の方が別の入居先を斡旋していただいて、かなりの方はそこに入っていただいています。それから、3階の部分はまだ住める状況にもあるようで、そこに戻られた方もおられるようです。それ以外の方で、3名の方が一時的に市営住宅に入っていただいています。しかし、これは火災や災害時に対する一時的な対応ですから、ここにずっと住んでいただくというわけにはいきませんが、ここはしっかり相談に乗らせていただいて、恐らくこの建物の所有者の方も用意していただける可能性もあると思いますから、そこはそういう対応がまずは考えられようかと思います。また関係部局が必要な相談なりに応じていきたいと思います。
記者:
この被災した住宅に限らずですけど、例えば緊急査察とかを通して、そういう住宅に住まれている、実際、住民の方とか管理者、大家みたいな人からヒアリングとかをするということもあるんですかね、そのあたりは。
職員:
今回の緊急査察につきましては、建物所有者に連絡を入れさせていただいて、建物の査察を行うようにしてございます。場合によっては立会いができない場合もございますけれども、基本的には大家の方にも立会いをしていただくような形で査察のほうを実施しております。このページは接続環境によって、映像・音声などがみだれたり、スムーズな視聴ができない場合があります。あらかじめご了承ください。