発達障害とは

最終更新日:2023年9月12日

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発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害等をいい、脳の機能障害が原因で発現するといわれています。
発達障害における知的な発達の程度は、かなり重度の知的障害から、高機能自閉症のように知的障害のない、または軽いものまでさまざまです。
幼児期には「呼んでも知らん顔をしている」、「親の邪魔をしないで一人で遊んでいる」など人への関心が低いようにみえることがあります。また、目で見たものや周囲から聞こえてくる音などの刺激に反応して「勝手に走り出して、すぐ迷子になる」など落ちつきのない様子がみられることもあります。
発達障害は、本人の努力不足ではなく、親の育て方や愛情不足に原因があるのでもありません。生まれつき物事の感じ方やとらえ方がユニークなため、とても得意なことがある反面、ちょっとしたことがすごく苦手という片寄りがあったりして、誤解されやすいのです。
困った子ではなく、困っているのは本人です。年齢を重ねるにつれ、集団生活が苦手で、時に周囲とぶつかってしまうなどの症状があるため、時として、いじめの対象になったり、就職しても長続きしないなど、日々、生きづらさを抱えながら多くの人が悩んでいます。
早い時期から周囲が理解して適切な支援をすれば、本人の「困っていること」が少なくなります。

発達障害の種類と特性

特性

広汎性発達障害(PDD)とは

自閉症、アスペルガー症候群のほか、特定不能の広汎性発達障害を含む総称です。最近の医学界では、障害を続きの「連続体」として考え、自閉症スペクトラムということがあります。(米国精神医学会発行「精神障害の診断と統計マニュアル」の最新版DSM-5より)

自閉症とは

「コミュニケーションの障害」「対人関係・社会性の障害」「想像力の障害」の3つの特徴をもつ障害で、低年齢時から何らかの症状がみられます。半数以上は知的障害を伴いますが、高機能自閉症と呼ばれる知能には遅れのない場合もあります。

  • コミュニケーションの障害
    文字を字義通りに解釈する。しぐさから読み取ることが苦手。

  • 対人関係・社会性の障害
    視線が合わない。年齢相応の友人関係を構築できない。

  • パターン化した行動、こだわり
    先の見通し(予定等)が無いと不安。急な変更を嫌がる。 など

アスペルガー症候群とは

対人関係の障害があり、限定した常同的な趣味、行動および活動をするという特徴は、自閉症と共通した障害です。明らかな認知の発達、言語発達の遅れを伴いません。

  • コミュニケーションの障害
    視線が合いにくい。周囲を気にせず、浮いていても平気。

  • 対人関係・社会性の障害
    友達付き合い・集団行動が苦手。他人の気持ちを思いやれない。

  • パターン化した行動、興味・関心のかたより
    自己の流儀にこだわる。急な予定変更を嫌がる。

  • 不器用(言語発達に比べて)
    ことわざやたとえ話が理解できない。あいまいな表現(「ちゃんと」、「きちんと」、「適当に」、「がんばる」、「片付ける」等)が理解できない。表情やしぐさで自己表現できない。 など

学習障害(LD)とは

全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力を学んだり、おこなったりすることに著しい困難がある状態をいいます。DSM-5では限局性学習症等というようになりました。

  • 特異的識字障害
    本を読んでいて同じ行を繰り返したり読み飛ばしたりする。理解が遅い。

  • 特異的書字障害
    お手本どおりに字をまねして書くことができない。鏡に写した様な裏返しの字を書く。過不足のある字を書く。

  • 特異的算数能力障害
    読み書きは普通にできるが、簡単な計算を間違う。

  • 視覚的認知障害
    アナログ時計を読めない

  • 空間認知障害
    右と左がわからない。地図を読むことが苦手。 など

注意欠陥多動性障害(AD/HD)とは

注意持続の欠如もしくは、その子どもの年齢や発達レベルに見合わない多動性や衝動性、あるいはその両方が特徴です。DSM-5では、注意欠如多動症等というようになりました。一般的に多動や不注意といった様子が目立つのは学齢期ですが、思春期以降はこういった症状が目立たなくなるともいわれています。

  • 多動性
    おしゃべりが止まらない。待つことが苦手でうろうろしてしまう。

  • 注意力散漫
    うっかりして同じ間違いを繰り返してしてしまう。

  • 衝動性
    約束や決まり事を守れない。せっかちでいらいらしてしまう。 など

トゥレット症候群(TS)とは

多種類の運動チックと1つ以上の音声チックが1年以上にわたり続く重症なチック障害です。通常は幼児・児童・思春期に発症します。多くの場合は成人するまでに軽快する方向に向かうと言われています。

  • 運動チック(突然に起こる素早い運動の繰り返し)
    目をパチパチさせる。顔をクシャッとしかめる。首を振る。肩をすくめる。全身をビクンとさせる。飛び跳ねる。

  • 音声チック(突然に起こる発声)
    コンコン咳をする。鼻鳴らし。奇声を発する。不適切な言葉を口走る(汚言症:コプロラリア)。など 

​​​​​​​※このような運動や発声を行いたいと思っているわけではないのに行ってしまうということがチックの特徴です。

その他よく見られる特性

身体の感覚の特徴

周りの人があまり気が付かないことに気がつく、苦痛に感じる。

  • 視覚:太陽の光や蛍光灯の光をまぶしく感じる。
  • 聴覚:雷・犬の鳴き声・人ごみの雑音などが嫌い。
  • 嗅覚:香水・米の炊けるにおいなど、特定のにおいが気になる。
  • 触覚:チクチクする服などが苦手(いつも同じ服を着ている)。
  • 味覚:食感がどうしても駄目な食べ物がある。

動作や手先の使い方の特徴

動きがぎこちない。運動が極端に苦手。手先が不器用。

その他

睡眠に問題がある。体温調整が苦手。心の状態に気づきにくい。

お問い合わせ先

福祉局障害福祉課