防火・避難規定のよくある違反事例

最終更新日:2024年11月12日

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「知らなかった・・」では済まされません

建築基準法の防火・避難規定に違反した建物所有者・管理者・占有者等は、建築基準法第98条に基づき3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処される可能性があります。

火災等により多くの方が死傷すれば、ビル所有者や経営者の責任は重大です

建築基準法第8条では、「建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。」と定められています。

建築基準法他法令に適合していないと火災が発生した場合、利用者が安全に避難できないなど大きな被害が生じる恐れがあります。
参考:雑居ビルの火災における違反罰則事例(国土交通省)

火災の被害拡大防止を妨げるよくある違反事例

建物立ち入り検査の際、よく見かけられる違反事例をあげています。
該当するものがあれば、建築士等の専門家に相談のうえ、改善するようにしてください。
また定期的な点検を行い、適法に維持管理を行うようにしてください。

直通している階段がない/足りない

  • 増築の際、階段の位置を変えてしまった。
  • 増築したが、必要な個所数の直通階段がない。(二方向避難が確保されていない。)
  • ナイトクラブなど風俗関係営業に変更改修したが、階段が1箇所しかない。(原則2箇所以上必要)
  • 6階建て建物で、倉庫→事務室に改修しその階の居室部分の面積が100平方メートルを超えてしまった。(2箇所以上必要となる。)

避難階段の区画が不十分/可燃物の放置

  • 屋外避難階段に雨よけのため樹脂板材など燃えやすい素材を使って簡易な壁で囲い、屋内階段に変えている。
  • 階段室内に居室からの換気口・排気口を設けて、階段室が竪穴区画されていない。
  • 階段室内に避難の妨げ/可燃物となる物品置いている。

避難バルコニーから地上に逃げられない

  • バルコニーへの避難通路、避難器具の周辺に物を置いて通れない。
  • 避難タラップ、避難梯子等が壊れている。

防火区画/炎・煙の拡大防止対策が不十分

  • 階段室や室内の防火戸を、防火設備でないガラス・木製扉などに替えている。
  • 煙感知器連動式の防火戸が故障し機能しない。
  • 防火戸が完全に閉まらない。(ドアチェック不良、障害物等)

排煙設備がない

  • 地階にある飲食店等に、機械排煙設備が整備されていない。
  • 有効な排煙面積がない無窓居室で、準不燃材料以上の内装が使われていない。
  • 排煙設備の手動開放装置を撤去、または故障したまま放置している。
  • 機械排煙設備の排煙口をふさいでいる。または、自然排煙の窓を板等で閉鎖している。

非常用照明装置を撤去した

  • 非常用照明を内装工事等で撤去している。
  • 球切れ、蓄電池切れを放置している。

非常用照明

非常用進入口から進入できない

火災時に消防隊が消火・救助活動の際に使用します。
  • 進入口を板、看板等でふさいでいる。または開口部が開かない。

内装制限/内壁・天井の仕上材などの基準を満たしていない

  • 内装の制限を受ける特殊建築物の用途に使用している居室から地上に通ずる、主な廊下、階段、通路の壁、天井の内装材が準不燃以上になっていない。

耐火建築物等/防火地域、準防火地域における建築物の構造

防火地域・準防火地域は火災の危険防除を目指す地域のため、燃えやすい構造の建築物は、建築できません。
  • 屋上やバルコニーに木造などで増築している。(耐火・準耐火建築物ではない)
  • 鉄骨造の梁の耐火被覆を設備を吊り下げるため一部または全部撤去している。

耐火被覆

お問い合わせ先

建築住宅局建築指導部安全対策課