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最終更新日:2024年8月30日
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日本の植物分類学の基礎を築き、「植物学の父」と呼ばれた牧野富太郎は、文久2年(1862)、高知県で生まれました。幼い頃から植物好きで、東京で本格的な植物研究に没頭しました。
大正5年(1916)、研究のための資料や文献集めの借金で経済的に困窮した牧野は、採取した植物標本を売ることにします。それを知った神戸の池長孟が、援助を申し出ました。
援助の内容には、標本を収容する植物研究所を設立することも含まれており、当時兵庫区会下山にあった「正元館(しょうげんかん)」を研究所とすることになりました。大正7年(1918)に開所式が行われた「池長植物研究所」ですが、牧野の標本整理はなかなか進まず、一般公開されることはありませんでした。
昭和16年(1941)、研究所に保存されていた標本は、東京の牧野富太郎のもとへ返されました。現在、標本は首都大学東京牧野標本館に、研究所の図書等は高知県立牧野植物園に保管されています。