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最終更新日:2023年2月10日
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近代洋服とは、タキシードやビジネススーツなどの洋装のことです。それらを扱う神戸で初めての洋服店は、神戸開港の翌年、明治2年(1869)イギリス人のカペルが旧居留地(現神戸市役所東遊園地附近)16番館に開業した洋服店とされており、同国人のスキップや中国人の其昌号も同時期に居留地やその周辺で開業しました。日本人では泉小十郎が創業し、続いて明治5年(1872)西田正太郎が開業しましたが、カペルに弟子入りした日本人最初のテーラーである柴田音吉は、明治16年(1883)に元町で柴田音吉洋服店を開業し、明治天皇のお召し服や伊藤博文などの洋服を仕立てるほどでした。
明治5年(1872)に明治政府が「宮中における礼装は洋服をもって正装となす」との洋服着用太政官発令をしたことにより洋服は急速に広まっていき、明治25年(1892)には神戸洋服商工業組合が結成されました。また、洋行帰りの諸氏の間で神戸の紳士服は「神戸洋服」として好評を博し、その名が国内に広まりました。
昭和49年(1974)、東遊園地に顕彰碑「日本近代洋服発祥の地記念彫刻」が神戸洋服商工業協同組合により建立、神戸市へ寄贈されました。記念碑は、洋服の身ごろ(前・後)と袖の型紙を象形化した御影石製の3つの彫刻と、衿の型紙を刻した「日本近代洋服発祥の地」碑文とで構成されており、彫刻グループ環境造形Qにより制作されました。