最終更新日:2024年9月26日
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2011年に、富山県等で食肉を生食することで腸管出血性大腸菌による食中毒事件が発生しました。この食中毒事件では、小児等5名の方が亡くなり、181名の患者が発生しました。
この食中毒事件の発生を受けて、生食用食肉の規格基準(成分規格・加工基準・保存基準・調理基準)、加工場・調理室等の施設基準、表示基準の基準が設定されました。
牛の食肉(内臓を除く。以下この目において同じ。)であって、生食用として販売するものです。
牛ユッケ、タルタルステーキ、牛刺しおよび牛タタキ等が対象です。
これらについて、成分規格、加工基準、保存基準、調理基準、表示基準が定められました。
基準に違反した場合は法令違反となり、行政処分を受けることがあります。
飲食店で牛ユッケや牛刺し等を提供する場合は、専用の施設で枝肉から一貫して基準に定められた加熱などの処理が行われ、成分規格を満たした「生食用食肉」の表示がある肉塊を仕入れる必要があります。
厨房では、この加熱済みの肉塊を調理(細切・調味)して提供することしかできません。
生食用食肉として加工されたもの以外の食肉を生で提供することはできません。
厨房内の専用の区画、専用の器具が必要があります。
生食用食肉の調理を行う人は、食品衛生責任者と同等以上の知識を有することが必要です。
生食用食肉を提供する場合には、店舗の見やすい箇所(店頭、メニュー等)に以下の表示をしなければなりません
食肉を生食用として加工・出荷するためには少なくとも以下の要件を満たさねばなりません。
加工に使用する肉塊は、枝肉から切出した後、加熱殺菌まで、同一施設で速やかに処理する必要があります。
専用の消毒設備を設けた専用の区画で、専用の器具を用いて行う必要があります。
肉塊が直接接触する処理設備は一つの肉塊を加工するつど消毒を行う必要があり、使用した器具も一つの肉塊を加工するつど、83℃以上の温湯で消毒する必要があります。
※同一の施設を、生食用とそれ以外に時間によって使い分けることは認められません。
生食用食肉は、気密性のある容器包装にいれ、密封した後、表面の加熱殺菌を行う必要があります。
また、加熱記録は1年間保存する必要があります。
肉塊の表面から深さ1cm以上の部分までを60℃で2分以上加熱が必要です。
腸内細菌科菌群(腸管出血性大腸菌やサルモネラを含む菌群)が陰性であること。
生食用食肉は、表面加熱の終了後、直ちに4℃以下に冷却され、その後は4℃以下で流通、保存されなければなりません。
生食用食肉の加工は、原則として、食品衛生管理者の資格を有するもの(もしくは同等の知識を有すると都道府県知事等が認めるもの)が行うか、同資格者の監督の下に行わなければなりません。
1 大学で、医学、獣医学、薬学、水産学、畜産学、農芸化学の課程を修めたもの
2 食品衛生法第48条第6項第4号に基づく養成講習会を受講したもの
生食用食肉の表示には、通常の包装食肉の表示に加え、以下の項目が必要です。
基準を守らなかった場合は、食品衛生法第13条第2項違反となり、同第54条、第55条及び第72条に基づき、当該食品の廃棄命令や営業禁止及び2年以下の懲役又は200万円以下の罰金等の処分を受ける場合があります。
生食用牛肝臓(レバー)の販売は禁止されています。
従来の生食用食肉の衛生基準が適用されます。
豚肉(内臓を含む)を生食用として販売することは禁止されています。
これらの生食については、汚染実態や防止対策等について整理したうえで、今後の取扱いについて国において検討されることとなっていいます。
ただし、これらの食肉についても、食中毒のリスクが高いことから、生食用として提供するのはやめましょう。