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定例会見 2023年7月11日

最終更新日:2023年7月11日

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動き出す 神戸登山プロジェクト

次期「基本構想」策定へ
 -神戸のこれからをみんなで話そう-



会見資料はこちら

冒頭

司会:

 それでは、ただいまより7月1回目の市長定例会見を始めさせていただきます。

 市長、よろしくお願いします。


久元市長:

 よろしくお願いいたします。

 今日お話を申し上げたい案件は2件です。

 神戸登山プロジェクトが、これが動き出しますので、その内容、2件目が、次の基本構想を策定するための取組を行いますので、この2件を説明させていただきますが、最初に先月、西区におきまして、6歳の男のお子さんが虐待と思われる状況の中で亡くなるという事案が発生いたしました。神戸市が関わっていた事案でありまして、このような事案がどうして発生したのかということについては、警察が現在捜査中ですけれども、警察の捜査状況も踏まえながら、市としても検証していきたいと考えております。

動き出す 神戸登山プロジェクト

 それでは、まず、最初の登山プロジェクトですけれども、神戸市の市内には六甲山、摩耶山だけではなくて、北区には丹生山系、西方面には雄岡山や雌岡山などの山があり、大変自然環境が恵まれた都市です。海と山がある、そして豊かな里山も広がっている、こういうような都市です。古くから登山が行われてきました。一種の登山文化というものが神戸では根づいてきたわけですけれども、欧米人がこの習慣を神戸にもたらして、それが神戸に定着をしてきた。今でも早朝登山を行っている方々がたくさんおられます。ぜひ今の登山文化というものを、さらに神戸の中で根づかせていく、より多くの方に神戸での登山に親しんでいただく、併せて、もっと多くの方々に、外からも神戸に山登りに訪れていただいて、観光戦略にもつなげていこうと、こういう形で神戸登山プロジェクトをスタートさせました。

 その具体的な内容ですけれども、一つは新神戸駅に、新神戸駅は布引の滝もすぐ近いということで、一種の登山の拠点になっています。ここに支援拠点を整備するということが一つ。それから、登山環境を向上させるための案内板を整備する。また登山道も、荒れているところも一部ありますので、これを整備するというのが一つ。もう一つは、山の中に老朽危険家屋があります。これをできる限り撤去をしていくということ。それから、山の中で一息つけるような休憩キャビンを整備するというのが一つ。それから、IT技術を活用した登山道の情報の収集や、道に迷ったり遭難を防止するために登山用GPS地図アプリをさらに活用していく。さらに、まちぐるみで登山客をおもてなしする、そういう山麓周辺のサポート店を募集すると、こういうような施策が現時点で考えられているところです。

 この中で、新神戸駅の登山支援拠点が7月22日にオープンをいたします。トレイルステーション神戸、愛称「トレコ」という名称にいたしました。新神戸駅からは西に向かうと再度公園に行ける、東に向かうと摩耶山に行けると、こういうロケーションがありまして、先ほども申し上げましたが、布引の滝までもすぐの場所です。そこにトレイルステーション神戸をつくります。営業日は月曜日と木曜日から日曜日、そして祝日、営業時間は8時半から5時半までということで、ここでは登山情報を発信する、あるいはガイドツアーの相談に乗る、登山靴をレンタルしたり荷物を預かる、登山関連の物販をすると、こういうサービスを提供したいというふうに考えております。7月22日のオープン当日の10時にオープニングセレモニーを行いたいというふうに考えております。これが一つです。

 登山道の整備、あるいは案内板の設置などについては、これは一つは企業の協賛による支援をお願いしたいと思っておりまして、金額に応じて、登山の案内板に社名入りのプレートを設置すると。100万円以上を寄附していただいた場合には社名プレートを設置すると、100万円未満の場合にはホームページで紹介をすると、こういうようなお願いをしたいと思っております。

 社員の皆さんの活動も期待をしておりまして、社員の皆さん、あるいはその会社が呼びかけて、補修が必要な道の状況を通報していただいたり、あるいは登山道の清掃をしていただいたり、簡単な階段の補修などの登山道の整備などをしていただくと、そういうような支援も併せて行っていただくということで、社名入りのプレートを設置したい。これは明日から募集をしたいというふうに考えております。

 こういう形で企業やたくさんの皆さんの参画を得ながら、今、残念ながら、登山道の整備がまだ十分でないところがありますし、古い案内板が残ってたり、壊れているもの、汚れているもの、古くなったものもありますから、こういうものを多くの方々の参画を得て、見違えるような登山道にしていきたいというふうに考えております。

 市民に愛されてきた神戸の山々が、たくさんの皆さんの参画をいただいて、より多くの方々に楽しんでいただくことができるような形で、この神戸登山プロジェクトを進めていきたいと考えております。

次期「基本構想」策定へ -神戸のこれからをみんなで話そう-

 2番目のテーマが、次期の基本構想の策定を進めるということです。そして、市民の皆さん、あるいは市民の皆さんだけではなくて、様々な方々の御意見をいただき、そして、たくさんの皆さんとディスカッションをしながら、基本構想の策定を進めていきたいと考えています。

 現在の神戸市の将来像を示す計画は3段階になっておりまして、一番基本的な方向性を示しているのが基本構想です。これは震災前の1993年に策定されたままになっています。これを30年ぶりに改訂をする、策定をするということが基本です。そして、その下にこの基本計画がありまして、これは2035年に向けた将来ビジョンをこれからつくっていきます。実施計画、これは2030年に向けたアクションプランというものをつくっていくと、こういう形で、まずはこの一番基本となる基本構想を策定していくわけですが、この基本構想では将来に向かって紡いでいくべき神戸のまちの魅力や価値観などについて、端的なメッセージを示したいと思っております。この基本構想につきましても含めて、今年度からこの作業を継続的に行っていきたいと考えています。

 まず、基本構想の案を今年度策定し、来年度、議会の議決を得て基本構想として確定をすると、こういう作業を行っていくわけですが、まずは市民の皆さんに簡単に参加していただけるようなアンケートを実施いたします。7月11日から9月30日まで、スマホで参加していただけると。ちょっとした空き時間に選択をしていただけるような、そういう設問を入れておりまして、二、三分で答えていただけるという、そういう内容です。このアンケートを行い、これは第1弾のアンケートとして行いまして、第2弾のアンケートは10月以降に行っていきたいと思っております。これがまずアンケートですね。

 あと、市民の皆さんの神戸への思いというものを自由に語っていただきたいと。1つは、小中学生の皆さん向けのファミリーフォトプロジェクトです。そして、さらに10か所でこのワークショップを行いたいというふうに考えています。8月から11月にかけて、市内で10か所のワークショップを行いたいと思っています。このワークショップを行う場所は、それぞれの神戸の各地域での特徴のあるスポットを考えておりまして、例えば東灘区であれば、これは酒どころで、酒心館さんにこのホールを提供していただいて、ここで行う。この次が北区の鈴蘭台にある内田家住宅ですね。それから、こちらが西区に最近オープンいたしましたなでしこ芸術文化センター、それから新長田の合同庁舎の1階のスペースですね。それからここは、これも最近オープンいたしました新開地のアートひろば、一番最後が、これはハーバーランドのumieです。こういう特色のあるところでワークショップを行うというふうに考えております。

 今後の予定はですね、先ほど申し上げました第1弾のアンケートを行って、神戸の魅力ということを、それぞれお答えいただきたい。第1弾のアンケートを踏まえた、これは設問も第1弾の回答状況を見て考えたいと思いますが、基本構想の策定につながるような設問をしたいというふうに考えておりまして、併せて先ほど申し上げましたワークショップを市内の10か所で開催をする。そして、これを集約いたしまして、この基本構想の案を策定して、今年度中に基本構想の案を策定し、来年度、令和6年度に議会の議決をいただいて、基本構想としての確定を行うと。あわせて、これと並行しながら、事務的には基本計画、その下の下位計画の策定も進めていきたいと考えております。

 取りあえず、私からは以上です。

質疑応答(発表項目)

記者:

 登山プロジェクトの件でお願いします。

 1月末に最初に発表いただいたときだと、登山拠点をまず今年の早い時期に確保してから、25年の万博までに本格的な拠点として整備していきたいというようなお話あったかと思うんですけども、これは今後、このトレイルステーション神戸というのがより充実した施設になっていくのか、あるいはほかの周辺施設とかを整備するという意味なのかという、今後のスケジュール感なんかを含めてお願いします。


久元市長:

 前回の記者会見でそういうふうに申し上げました。現在は、大体運営費、整備費も含めて800万ぐらいの予算ですから、取りあえずこれで整備をいたしまして、実際の運営は、好日山荘と神鉄観光に、これは公募の上運営を委託するというふうにしております。その上で、さらにこれを拡充するという方向で考えていきたいというふうに思っております。


記者:

 すみません、登山についてお伺いしたいんですけども、観光の1つの目玉にしたいという話があったと思うんですけれども、すみません、今現時点で、年間でどれぐらいの登山客が、インバウンド、国内・国外を含めて来ているのかと、あとは今後、それを具体的にどのぐらいにしたいかという目標などありましたら教えてください。


職員:

 今現在、登山客がどれぐらい入っておられるのかというのは、具体的な数字はちょっと今、把握しておりません。今後把握していくように努めていきたいと思っております。


久元市長:

 いずれにいたしましても、今、海外の方の姿も見かけますし、最近は六甲山にもマウンテンバイクを持って登っておられる方が増えて、そこの中には海外の方の姿もありますね。一定の方が来られていると思いますけれども、そんなに多くはないと思うんですよね。これを大きく増やしていきたいというふうに思います。

 同時に、これは観光戦略だけではありません。やはり神戸に根づいてきた登山文化も、最近は外で体を動かすということが残念ながら、スマホの影響もあるのかもしれませんが、少なくなってきて、登山を楽しむ方も、どちらかというとシニアの方が中心になって、それから登山プロジェクトについてのアンケートも神戸市として行いましたけれども、若い女性で登山をする方の数というのは大変少ないですね。もう少し幅広い世代、せっかく近くにこれだけすばらしい山があるわけですから、市民の皆さんにも親しんでいただいて、御自身の健康増進にもつなげていただく。森林浴の効果というのが科学的にどれぐらい立証されているのかは分かりませんけれども、効果があるということは古くから言われてきました。そういう登山文化を神戸の中でもう1回根づかせていくということとともに、インバウンドも含めた観光客の誘致という、そういう両方の目的を持って登山プロジェクトを推進したいというふうに思っております。


記者:

 登山プロジェクトの件で1つ伺います。このプロジェクトの概要を拝見しますと、やっぱり観光戦略の色合いが強いなという印象があるんですが、市民にもっと六甲山系を歩いてもらったり、親しんでもらうための取組というのは、何かここら辺が特徴ですとか、あれば伺いたいんですけれども。


久元市長:

 両方意識しているつもりです。市民の皆さんからも、むしろ山歩きをされている方々から、登山道を登っていったら、大分前に崖崩れがあって道が通れなくなったところが長くそのままになっているとか、それから案内板がすごく古くなっているとか、表示が非常に古いとか、そういうお話をたくさん聞きますから、登山道案内板の整備というのは、これは市民の皆さんへの対応ということもありますし、老朽危険家屋なんかも、これはむしろ市民の皆さんからよく聞く話です。ほかの面も、両方の目的に沿って進めていきたいというふうに考えております。


記者:

 基本構想の件でもう1つお尋ねなんですけれども、今回、30年ぶりに策定に取り組むということなんですが、手法として、やっぱり市民の参加、スマホを使って参加というのが特徴的なのかなと思うんですけれども、やっぱり基本構想ってなかなか市民にとってなじみがないものかなと思うんですけれども、改めて、何で市民の方に参加してもらいたいのか伺ってもよろしいでしょうか。


久元市長:

 それは、もともと基本構想ですから、神戸市が目指すべき大きな方向性ですよね。基本構想というと何か難しいことを書いている文書のように聞こえますけれども、実際、1993年にできた基本構想、15ページずっと文章がひたすら並ぶんですよね。結果的にどういうものになるのかというのはこれから考えますが、やっぱりあるべき神戸の方向性をぜひ考える、これが基本構想の大きな目的です。

 その前提として、市民の皆さんが神戸の何に魅力を感じているのか、あるいは神戸のどういうところに課題があると考えているのか、そもそも神戸というまちは市民にとって何なのかということ、そういう基本的なところからぜひ考えていただきたい。そのために選択式の設問をつくりまして、これはもうすぐに選べるようなものになっているわけで、もちろん理由記載のところもありますが、市民の皆さんの率直な神戸への思いをぜひ聞かせていただきたいと思います。

 私もネットモニターの皆さんとの対話フォーラムというのを、ちょっとコロナで回数は減っていた時期もありましたけれども、行いますと、やっぱり神戸への思いというか、神戸がこんなまちであってほしいという市民の皆さんの声に接することは多いですよね。そういう思いを率直にこのアンケートの中で語っていただきたいというふうに思っています。


記者:

 先ほどの質問に続いての質問なんですけれども、30年前に策定した時点では、このような市民から意見を聞くというようなことはされていなかったんでしょうか。


久元市長:

 しておりました。全世帯に郵送でアンケートを送って、そして回答してもらっておりました。ちょっとそのやり方は、さすがに今の時代では古いと思うんですよね。デジタルディバイドとかという議論もあるかもしれませんが、シニア世代の方も大半の方がスマホを持っている。最近は街の中でシニア世代の皆さんと遭遇しても、ガラケーを持っている方は大変少なくなっています。シニア世代の皆さんも多くがスマホを持っているように思われますね。ですから、スマホでのアンケートが今の時代には一番ふさわしいというふうに思っています。


記者:

 あわせて、ワークショップではファミリーフォト、家族連れだけでなく、場所に応じて様々な幅広い世代の方からの意見を、スマホを使わない方の意見も含めてでしょうか。


久元市長:

 これは並行して行います。アンケートはもうスマホで簡単に答えていただく。このワークショップは大体30人ぐらいですよね。30人ぐらいの方に集中していろいろな思いを語っていただきたいというふうに思っております。


記者:

 こちらの基本構想のほうなんですけど、スマホを持っていない方のアンケートというのは、どういうふうな形で取ろうと思っているのか。


久元市長:

 これは、さっきも申し上げましたように、スマホを大部分の方が持っていらっしゃるというふうに思いますから、今回は、基本的にはスマホ以外の、例えば紙によるアンケートは行わないことにしました。


記者:

 では、例えばですけど、もし持っていらっしゃらない方で、神戸について思っていらっしゃる方がいらっしゃれば、ワークショップのほうに促すという感じですかね。


久元市長:

 ワークショップに来ていただくことも歓迎しますけれども、同時に、神戸市に対する意見の提出方法というのはほかにもありますし、例えば私からの提案箱という提案も、私も全部読みますけれども、個別の身近な、道路をこうしてくれとか、バス路線をこうしてくれとかということのほかに、神戸の将来像についての意見もありますから、そういうところに書いていただくということもできると思います。


記者:

 アンケート以外のそういった細かな市民からの意見も全て取り入れた上でのということですね。


久元市長:

 そう理解しています。


記者:

 トレイルステーション神戸についてお伺いさせていただきたいんですが、こちらのトレイルステーション神戸のここが非常に自慢できるポイントであるみたいな推しポイントみたいのがありましたら、ぜひお願いいたします。


久元市長:

 トレイルステーション神戸は、1つは場所です。新神戸駅。新幹線の駅は日本中にたくさんありますが、大都市、新神戸駅ぐらいの乗降客がある駅で、それで、すぐ裏が山で、山から清流が流れてきて、夏はそこで水遊びをしているような、こんな駅は恐らく日本中にはないと思うんですよね。すぐに山の中に入っていけるというロケーション、そこに神戸登山プロジェクトの第1号である登山支援拠点をつくる。これは1つのポイントです。

 あとは、登山客にニーズの高い、荷物を預かってほしいとか、それから、登山靴をレンタルしてほしいとかというような、そういうニーズに応えられるようにしているということと、それから、このトレイルステーション神戸の運営を、好日山荘とは連携協定を結んでおりまして、様々な登山を盛んにするための背景も含めて、アウトドアの協力も今いろいろといただいているので、そういう分野に詳しい好日山荘と神鉄観光が運営に当たっていただけるというのが、売りという言い方かどうか分かりませんが、ここの特徴になるというふうに思っています。


記者:

 これによってどれぐらい登山をする人が増えてほしいとか、具体的にここが一番変わりますというようなところがもしあるのであれば。


久元市長:

 ここに登山拠点ができるということが、やはり神戸が登山に力を入れているという発信にもなるというふうに思いますね。新神戸駅にはたくさんの方々がここを通過したり、ここから神戸のまちにも出ていっていただけますから、そういう情報発信にもつながるというふうに思いますし、実際問題、新神戸駅にこういうものができるということは、新神戸駅から布引に行かれる方もたくさんいらっしゃいますし、非常に便利なところにいいスポットがありますから、実際にここから足を運んでいただける、山に登っていただく方が増えるということも期待できると思います。

質疑応答(発表項目以外)

記者:

 冒頭で言及された西区の男の子の亡くなった事案についてですけれども、各部署で必要なことは対応をされたということですけども、改めて結果として亡くなってしまったという事案について、各部署で取り組まれた事案だと思うんですけども、全体として市の対応についての見解を教えてください。また、今後、検証されていくということですけども、現時点で、もしあれば、例えばこの部分に問題があったとか、この部分で改善が必要だと思われる点があれば教えてください。
 

久元市長:

 まず、この事案が発覚をいたしまして、これは報道と警察からの通報と両方だったと思いますが、すぐにこども家庭局長以下の幹部職員から報告を受けました。その後も、何回もその後の内部的な調査で判明した事柄なども含めて調査を受けています。まず、これは区役所のこども支援担当の職員がメインになって、これは何回もこの家庭とは接触をしていた。相当長い経緯も含めて接触をしていたということが一つあります。

 それから、こども家庭センターとも連携が取れていたし、相当何回も接触をして、そして、家族ともコミュニケーションが取れていたという面もありますが、一方で、コミュニケーションが取れていたけれども、本来、こども家庭センターに来るはずだったのが全然来てくれなかったり、訪問しても会えなかったり、そういうコミュニケーションが取れなかったというようなことも両方あったというふうに承知をしています。

 今回、区役所にしてもこども家庭センターにしても、全力で対応したというふうに私は認識をしておりますけれども、結果的には6歳の男のお子さんが亡くなったということで、非常に重大な事案が発生したというふうに思っておりまして、やはりこれまでの対応というものの一連の経緯、それから、そのときにほかに取り得る方法というものがなかったのかということも含めて、警察の捜査結果というものも教えていただきながら検証をしたいというふうに思っています。


記者:

 ありがとうございます。

 あと、おっしゃっているように、恐らく警察の捜査結果を待ってということだとは思うんですが、ある程度この時期までには例えば第三者委員会という形で検討を始めたいというようなめどがあれば教えてください。


久元市長:

 今、神戸市内、市役所の中での情報は完全に集約されています。我々が知り得ることというのは、今、私どもの手元にあるわけですが、やはりきちんとした検証を行うためには警察の捜査結果ということを教えていただくということが必要だろうと思います。ただ、警察からはいつ、これは相当難しい事案のようです。いつ捜査結果が、捜査が一段落するのかどうかというめどが、今のところ立っているというふうにも聞いておりません。ですから、捜査結果が分かるのが相当遅くなるようであれば、その時点で分かる情報を整理するということを前提にして、検証委員会を立ち上げるということを考えたいと思いますが、その時期については今は未定です。


記者:

 この西区の事案に関してなんですけれども、先日、NPO法人のシンクキッズさんから、市のほうに要望書をというところ、提出あったと思うんですけれども、その中で児童相談所と警察のほうで、全件をリアルタイムで共有したほうがいいのではないかというところもあったと思うんですけれども、そのNPO法人の申入れを踏まえて、何か対応策考えられているところとかございますでしょうか。


久元市長:

 警察との共有というのは非常に大事で、神戸市も警察とは全件共有をできていると考えています。ただ、これが、共有しているのは月に1回情報共有をしているということと、それから、家族からの相談、直接家族から相談を受けたものは対象にしていないということですね。この辺のところは、今のやり方でいいのかどうかということについては考える余地はあると思います。こういうことも含めて、他都市がどうしているのかということも参考になろうかと思いますが、また、リアルタイムで情報共有をするということについては、そのことが現実にできるのかどうかということについては、やはり相当考えなければいけない課題というのがたくさんあるのではないかなと思います。


記者:

 その課題というのは、今思いつかれるところでどういったところがあるんでしょうか。


久元市長:

 まず、物理的にどういう方法で、どういうシステムをつくって情報共有するのかということですね。あとは、これは議論があるところかもしれませんが、警察に通報するということになったときに、相談を受けている家族からのかなりの抵抗があるということです。これは現実に、これは理屈の上での話ではなくて、このことは警察に通報するということについて、相当抵抗を示すということは、これまでも担当職員が業務の中で感じているところです。ここは議論があるところですよね。仮にその家族が、幾らそれに対して抵抗しても、現実に今回の事案も含めて、全国的に虐待死事案が発生しているということを考えれば、家族の意思にかかわらず通報すべきだという考え方もあるだろうと思います。そこは検証委員会での議論も含めてですね、もう少し議論が要るのではないかなと思います。


記者:

 先週末といいますか、8日、9日に、G7都市大臣会合に御出席になられたかと思いますが、そちらで、特に印象に残ったことですとか、あるいは、意外にすんなり一致したこと、あるいは逆に一致するのに難航したことですとか、そういった、御感想、御所見など、あるいは学びであるとか、ございましたらお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。


久元市長:

 これはまず、斉藤国土交通大臣をはじめ、国土交通省の皆さんと、それからG7の各大臣に感謝しないといけないと思うんですが、大臣会合であるにもかかわらず、都市の代表として参加をさせていただいた。立場はオブザーバーでしたけれども、ラウンドテーブルと全く、他の大臣と同じテーブルの中に出席をさせていただいて、都市の立場を主張させていただいた。これはU7、G7の各都市の連合体が構成する国際的な組織、そのU7の代表として出席をさせていただいたということでした。

 それからこれは、ドイツの住宅都市開発大臣をはじめ、何人かの大臣の方がおっしゃったわけですが、これからやはり、様々な課題、特に脱炭素の取組とか、それから人間らしい都市づくりとか、あるいは貧困、孤独の問題、こういう問題を考えるときに、都市の役割ということは非常に重要で、都市自治体の参画ということが大変大事だということを多く大臣が主張されて、それがG7の各大臣の中で共有をされたということ、これが1つです。

 もう1つは、各国の取組が、やはり、神戸で、あるいは日本で仕事をしている日々の、日常業務を遂行している中で感じているよりも、より一層、この脱炭素化ということを強く進めなければいけないということを、これが共通認識であり、また、非常に先進的な取組が紹介されたということですね。

 日本の場合には、道路を建設するということが神戸でも必要です。これはやっていかなければいけません。しかし、例えばフランスとかアメリカなどではですね、道路を減らすと、これは、舗装している道路の表面空間からはかなりのCO2が排出をするということ。そしてもちろん道路を使うと車からも排出をする。だから、道路を廃止して緑地にするという取組が行われているということ。

 それから、住宅からのCO2の排出をいかに減らすのか、そのために思い切った木造建築を導入していく。それから、公営住宅からのCO2の排出をいかに減らして、同時に特に所得水準の低い居住者に対して暖房を提供するかということを、相当それぞれの国が様々な取組をしている。このことは神戸に限らず、我が国はまだまだそういう認識というものが広がっていない、そういう政策というものも広がっていない。このことに私自身は強い印象を受けました。


記者:

 逆に言うと、3月のU7の共同宣言とは相入れないような主張というのはほぼ展開されなかったということですか。


久元市長:

 そう思います。ちょっと言い忘れましたけれども、U7で取りまとめられた考え方というのが、今回の都市大臣会合のコミュニケでも数か所にわたって引用されておりますし、それはU7として取りまとめられた宣言が非常に効果があったと思います。


記者:

 ウクライナ部分も含めてそうだということでよろしいですね。


久元市長:

 そうです。


記者:

 1つ前の質問に戻るんですけれども、神戸西の事件に関してなんですが、第三者委員会の調査の開始のめどがまだ未定と先ほどおっしゃっていたかと思うんですけれども、警察の捜査がどれくらいかかるとなれば時間がかかるなと判断されるのかという時期が、市長としては、今どれくらいの感覚でお考えなのかというのを教えていただけますか。


久元市長:

 警察の捜査というのは我々はうかがい知れません。ですから、いつ終結するのかというのは分からないです。ただ現時点では、もう少し待ちたいということです。


記者:

 もう少しというのは、例えば、少なくともどれくらいはとか。


久元市長:

 今の時点では、いつ頃まで待つということについての見通しは、今のところは持っておりません。もう少し待ちたいと思っています。


記者:

 再発防止に向けてできる限り早く動きたいというのは、市長も同じお考えかなとは思うんですけれども、そのあたりについて捜査結果が全部出るまでというところをすごく重視されているのは、理由をちょっと教えていただいてもいいですか。


久元市長:

 それは今私たちが把握している情報というのは、これは記者会見やそれ以外の取材で全てオープンにしているということです。つまり、我々が持っている情報は今までお話ししていたものが、これはもちろんお話しした以外の事柄で、犯罪が行われた可能性が非常に強いとは思いますけれども、そうは言っても公表できない事柄の性格上、公表できないものがあることはありますが、少なくとも、今後の再発防止に必要な情報というものは全て公開をしています。

 ですから、これをより再発防止のための対応を考えていくためには、また新たな情報と外からの知見というものをいただくということが不可欠で、そのための検証を行うということですから、やはり警察の捜査情報というものは必要だと考えているからです。


記者:

 最後なんですけれども、まだ全容が見えていないからどのように対応していくか難しいというところだったと思うんですが、今回の事案に関しては区から市の児童相談所に虐待疑いというところは共有されていなくて、保護の依頼が来ているという情報だけ連絡が来ていたと聞いているんですけれども、その点については、市と区の連携というところを全力でやっていたとおっしゃっていたと思うんですが、どのようにお考えですか。


久元市長:

 区役所とこども家庭センターは、この点については情報は共有できていたと思います。


記者:

 共有できていたというのは、虐待の疑いがあると一時的になっていたところは共有されていなかったかと思うんですが、そこについては。


久元市長:

 状況というのは日々刻々と変化していきますから、ある時点のだけを捉えて情報共有をしなかったという見方は、これはあり得るかもしれませんが、全体的な状況は区役所とこども家庭センターはしっかり共有できていると思います。


記者:

 つまり、こども家庭センターも虐待疑いがあるというところを把握はされていたということですかね。


久元市長:

 こども家庭センターは虐待事案を対応するセクションでありまして、区役所との間ではそういう情報共有はできていたということだと思います。


記者:

 それは一般的な全体のことではなくて、今回の亡くなられた本件児童のことに関してもされていたという認識ということで間違いないですか。


久元市長:

 全体としての情報は共有されていたということです。


記者:

 今回の事案については、どのように受け止めていらっしゃいますか。


久元市長:

 今回のことについても、必要な情報は共有されていたと考えています。


記者:

 同じく虐待関連なんですけども、どうしても発覚した後なら「たら・れば」を幾らでも言えてしまうところはあるので難しいんですけれども、市の児童虐待に関するマニュアルですと、虐待の通告を受けてから48時間以内に安否を目視で確認されているというような文言があると取材で聞いているんですけれども、何度も区の職員の方が会おうとしたものの、結果的に直接確認できたのが1週間後で、警察への連絡というのもその後なかったというのは事実関係として把握しているんですけれども、この一連の対応については、現時点での市長のお考えをお願いします。


久元市長:

 これは、全体を通じて、今おっしゃった時点の話もそうですが、区役所の職員は全力で家族、あるいは特に48時間以内は児童本人と接触しないといけない、全力で接触しようとしたと思いますが、結果的には接触できなかったということだと思います。


記者:

 詳しい調査なんかは今後、警察からの情報共有なんかを待ちつつ、また、改めて市として検証していくと思いますが、現時点では特段問題があったという認識は市長としてはないということでよろしいですか。


久元市長:

 問題があったか、なかったかどうかということを検証することが必要だと思っています。


記者:

 今の現時点では、そのあたりは何とも言えないというところですかね。


久元市長:

 1人の児童の命が失われたわけですから、どうしてこういうことが起きたのかということは、やはり関係職員は全力で対応したと思いますけれども、しかし、よりこの一連の経緯と、それから、ほかに対応の方法がなかったのかということについては、新たな警察からの情報提供やあるいは捜査の情報、状況などもお聞きしながら、また、この分野に詳しい有識者の意見なども聞きながら、検証していくということが重要だと思います。

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