最終更新日:2024年4月12日
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司会:
それでは、ただいまより4月1回目の市長定例会見を始めさせていただきます。
久元市長、よろしくお願いいたします。
久元市長:
私からは、今日、タンタンの追悼式の開催につきましてご説明を申し上げます。
タンタンが3月31日に亡くなりまして、この状況につきましては、王子動物園の加古園長から説明が行われたところです。改めてタンタンをしのぶ追悼式を開催したいと思いますけれども、少しタンタンが神戸に来てからの状況を振り返りたいと思います。
タンタンは、1995年に四川省で誕生いたしまして、日中の共同飼育繁殖研究を目的に、2000年7月からオスのコウコウと一緒に来神をいたしました。市民から親しまれてきたわけですけれども、2024年3月31日、心臓疾患に起因する衰弱死をしたわけです。
タンタンは多くの方々に愛された存在です。ジャイアントパンダが来神をいたしました2000年度は飛躍的に入園者が増加をいたしまして、前年度の約2倍、約200万人の方が王子動物園にお越しをいただきました。王子動物園のまさに顔というふうに申し上げていいと思います。
王子動物園は、飼育員の皆さんを中心にタンタンファーストで健康管理を行ってきました。加齢などの心臓疾患が判明いたしまして、日中双方で専門家チームを立ち上げ、連携して診断、治療を行ってきたところです。2022年3月以降は体調管理のために観覧を中止いたしました。そこで3月31日に、23時56分に亡くなったということですね。
タンタンが亡くなったことを発表してからは、市民の皆さんからたくさんの献花を頂きました。タンタンの園内の、屋内の観覧通路に4月2日から献花台を設けております。毎日献花が届けられております。昨日時点で約3,300のお花を頂いているところです。頂いたお花につきましては、屋内の展示場にお供えをしております。
タンタンの追悼式ですけれども、5月10日金曜日14時から、王子動物園内の動物園ホールにおきまして、神戸市主催で追悼式をしたいと考えております。
当日の内容ですけれども、メモリアルムービーを上映する、また、タンタンに最期まで寄り添った飼育員からの送る言葉などを予定しております。一般の参列者の方につきましては、定員100名程度ということで、抽せんでお越しをいただくというふうに考えております。タンタンのサポーターの皆さんのためのサポーター枠はこの100名の中で取りたいと考えております。
追悼式に参列したいという方はたくさんいらっしゃると思いますけれども、動物園ホールのキャパシティーの関係で限定せざるを得ないものですから、この当日はライブ配信も行いたいと思っております。また、この後、タンタンの特設サイトも王子動物園のほうで開設をしたいというふうに考えております。
私からは以上です。
記者:
すみません、細かい点を1つ。ライブ配信の媒体は何でしょうか。ちょっと記事を書く上で必要なんですけど、例えばYouTubeですとか。
職員:
媒体については今、ちょっと技術的な問題もありまして、検討中でございます。
記者:
基本的に同時に配信と。
職員:
同時配信を考えております。その方法については、ちょっと検討中でございます。
記者:
阪神・淡路大震災後、被災地に明るい話題ということで来日したタンタンですけども、震災ですとか復興という意味で、タンタンは神戸市にとってどういう存在だったとお考えでしょうか。
久元市長:
タンタンはやはり2000年に来日をして、まだ震災の記憶が生々しかったわけですね。タンタンとコウコウが来てくれたということは、とても明るい話題になったというふうに思います。その後もタンタンは24年間神戸にいてくれて、たくさんの市民をはじめ、市民以外の来園者の皆さんにもいろいろな喜びを与えてくれた、笑顔を与えてくれたというふうに思います。タンタンの神戸で過ごした24年というのは、神戸市民とともに歩んできたというふうに思いまして、改めてタンタンの存在に感謝をしたいと思います。
記者:
ありがとうございます。
続けてになるんですけども、市長御自身とタンタンの思い出がもしあればと思うんですけども。
久元市長:
何回かタンタンを見に行ったり、それから、神戸に来られたVIPの方と一緒にタンタンを御案内したことがあります。タンタン、これはよくみんな言われることですけど、すごく特徴があるんですよね。タンタンの、「あっ、タンタン」というのがすぐ分かるような、すごくかわいらしいタンタンの姿というのが今も目に浮かびます。
記者:
市長にお伺いしたいんですけども、タンタンが死んでから、来園者数というのはどれぐらい増えているんでしょうか。あと、献花された人数とか、そのあたりとか、分かっている範囲で教えていただければと。
職員:
非常にたくさんの献花を頂きました。ちょっと先ほど、市長のほうからも、献花の数自体は3,300ほどということで御説明したんですけれども、実際にパンダ館にお参りされた方、ちょっと今の時点での数字まではちょっと分からないですが、非常に多くの方に来ていただいております。死亡の発表以来、10日余りたちますけれども、非常に多くの方に、来ていただいております。本当に感謝の気持ちでいっぱいでございます。
記者:
じゃあ、もう1件、すいません、タンタンを通して得た知見であったりとか、研究というのは今後、神戸市動物園の運営にどのように生かしていきたいと考えておりますでしょうか。
久元市長:
そうですね。動物園の獣医をはじめ専門家と、日中、中国の専門家との間では非常に頻繁に、タンタンが元気であった頃からも頻繁に情報交換、意見交換をして、心臓疾患が明らかになってからはさらにいろんな意見交換を行って、共同で研究をしてきたということだというふうに承知をしております。ですから、それと、タンタンが亡くなってからは、死因について解剖もしたんですね。解剖もして、死因などの研究もしているということですから、やはりタンタンの一生ということを考えたときに、王子動物園の専門家と中国の専門家との間でいろいろな共同研究が進められ、タンタンの生涯についての知見が深められたのではないかというふうに思っております。
記者:
新しくまたパンダを呼びたいというようなお話が以前あったと思うんですけれども、その点については何か進捗だとか、お話しできることはありますか。
久元市長:
従来から神戸市は中国に対して、具体的には中国野生動物保護協会を中心に、日中共同飼育繁殖研究を、ぜひ継続をお願いしたいと。タンタンはもう1頭になってしまいましたから、新たなつがいの貸与ということをお願いしてきました。このことには、この基本的な姿勢には変わりはありません。ただ、今タンタンが亡くなったという事実を前にして、何か新たなつがいをぜひ貸与してくださいという特別の行動を起こすことは、考えてはおりません。今はやはりタンタンの、在りし日のタンタンの記憶をたどりながら、タンタンをしのびたいというふうに思います。
記者:
先ほどの新しいつがいをという話ですけど、今の段階では特別な行動を起こすことは考えていないというのは、一定の期間を空けて、十分にタンタンへの追悼の期間を経た後に起こす可能性はあるということでしょうか。
久元市長:
それは先ほど申し上げましたように、日中共同飼育繁殖研究を継続したいと、していただきたいというのが基本姿勢ですから、そこには変わりはないわけです。新たにどういう行動を起こすのかということについては、やはり市民の皆さんからどんな意見が寄せられるのかということと、議会のほうも、日中議連などがありますから、議会の御意向なども踏まえながら、具体的に行動をどのように起こすのか、それをいつ頃やるのかということについては、そういうような状況を見ながら判断をしていきたいと思います。
記者:
ありがとうございました。
あと、タンタンの遺体といいますか、死体については中国に、どこかのタイミングで返還ということになるのかなとは思うんですが、そのあたりの御予定とかは決まっていたりするんでしょうか。
久元市長:
今はまだ具体的には決まっておりません。先ほど申し上げましたように、今は死因の究明などを、中国の専門家のアドバイスもいただきながら行っているところです。その上で、この遺体をどうするのかということについては、中国側との協議に基づきますと、これは返還することになるわけですが、どういう形で返還するのかということについても今、中国側と協議中です。
記者:
すみません、細かい話なんですが、タンタンが死んだ日の会見では、死因が心臓疾患に起因する衰弱死と見られるというような話だったと思いますが、現段階で心臓疾患に起因する衰弱死と言い切れるようになったんでしょうか。
職員:
死因については、ほぼもうそれで確定だというふうに思っております。あと、細かい病理検査とか、そのあたりを今進めているところでございます。
記者:
先ほどのタンタンの遺体をどうするかという話があったというふうに聞いていますけれども、中国に返還するにしろ、そのタンタンをしのぶ何らかの、例えばモニュメントだったり、例えば彫像だったりとか、何かその、もし遺体を中国に返還したとしても、タンタンをしのぶための何かをこちらのほうで、神戸のほうで作られるというようなお考えはありますでしょうか。
久元市長:
現時点では、具体的な計画はまだありません。まずは追悼式を開催させていただいて、その後、いろいろな御意見も寄せられると思いますから、その上で考えたいと思いますが、何らかのタンタンをしのぶような、タンタンの記憶を後世に残すような、何らかの施設というかどうかはわかりませんが、シンボル的なものは考えたいなというふうには思っております。
記者:
王子動物園に、あるいは神戸にタンタンというパンダがいたことによって、神戸と中国の関係というのが、あるいは円滑にいったであるとか、そういった、どうでしょう、都市間交流、あるいは国との交流という意味でのタンタンの果たした役割について、もしお感じになっているところがありましたらお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
久元市長:
そうですね。先ほども申し上げましたように、王子動物園の獣医をはじめ、王子動物園の専門家と中国側の専門家とは非常に緊密に意見交換を行い、共同でタンタンを見守ってきたということだと思いますね。
同時に、タンタンの存在というのは幅広い市民の間で共有されたわけで、タンタンは中国の生き物で、中国から送られたものですから、神戸と中国との間の友好親善にも大きな役割を果たしてくれたというふうに思います。天津をはじめ、中国からの関係者が来られたときにも、タンタンのことは必ず話題もになりますし、中国大使が来られたときも、私も当時は孔鉉佑大使を御案内したことがありますが、タンタンのことを大変細かく御覧になっておられました。そういう意味で、日中友好という面でのタンタンは、大きな役割を果たしてくれたのではないかというふうに思います。
記者:
追悼式のことについて、もし分かったら、決まっていたら教えていただきたいんですけども、大体の全体の時間と、あと、このメモリアルムービーなんですけど、これが何分間ぐらいかというのと、あと、一般の方が100名程度ということなんですが、全体で何人ぐらいの参加者になるかということを教えてください。
職員:
大体、全体の参加者というのは動物園ホールのキャパシティーの関係で決まっておりまして、今、椅子を並べると大体、最大で200名ぐらいの数になるということでございまして、来賓の方とか報道関係のスペースとか、そのあたりを考えますと、大体、一般参列者100人ぐらいではないかということで、今、およそ100人というふうに考えております。それから、もう1つは。
記者:
時間ですね。
職員:
全体の時間につきましては、今のところ、大体1時間ちょっとぐらいかなというふうに考えております。まだそこまで、細かい計画はできておりませんけれども。それからムービーの時間も大体、10分程度の動画にまとめたいなと思っております。記者:
すみません、神戸市西区で昨年6月にあった、男児の虐待死事件の市の対応について、ちょっと改めて御見解をお伺いしたいんですけれども、今回、ちょっと取材の中で、区のほうが逮捕された叔父について、DV歴があったことを把握していたことや、亡くなった男の子が、どういうもので言っていたかはちょっと分からないですが、祖父にたたかれたというふうに話していたことが分かったんですけれども、そのあたりを重く見ずに、結局一時保護に至っていないという経緯があると思うんですけれども、そのあたりについて、市の対応について適切だったか。どのようにお考えでしょうか。
久元市長:
この西区の男児が亡くなった、ある意味で、傷害致死ということですけれども、それによって死に至ったということは、これは大変重大な事案で、これは重く受け止めなければいけないというふうに考えておりまして、今もそう思っております。ですから1つは、神戸市の行政機関の中で、あるいは警察との連絡通報も含めて、しっかり内部で検証をするということ、振り返るということ。併せて、専門家からなる検証委員会において、対応の経過ですよね、事実関係がどうであったのかということと、その事実関係に基づいて、神戸市の各関係機関が取った対応が適切だったかどうかということを検証するということが必要だというふうに考えてきました。そこでこの検証委員会を9月に開きまして、その後は、委員の方からのヒアリングを関係機関に行って、神戸市内部での検証とともに、委員の皆さんからもヒアリングをしていただくということを行って、そして今も、そういう対応をさせていただいているところです。そういう経過を基に、5月中に第2回の検証委員会を開いて、そして議論をしたいというふうに考えております。
記者:
ありがとうございます。検証委員会のほうなんですけれども、まだ、第2回が5月中に開かれるということで、全体で4回ほど開くというふうに聞いておりますが、まだ終了報告書をまとめるという見込みはまだ立っていないんですけれども、9月に開かれて、次が5月と、少し、かなり時間が空いていると思うんですけれども、検証の遅れとかというふうには、お考えはないでしょうか。
久元市長:
1つは、警察から新しい情報が得られるのかということがあって、そういう見通しの上で、警察からの新しい情報を得た時点で、新たな情報を基に検証委員会で議論をするということを考えていたわけですけれども、それが、警察からの情報はなく、また今回、4月2日に鑑定留置が終了しました。鑑定留置されたということが、情報の提供がなかなか得られなかったという大きな原因だと思いますが、4月9日に起訴されましたけれども、その後も新たな情報はありません。今後、公判過程で新たな事実が得られるのではないかと思います。
同時に、それを待つのではなくて、この検証委員会の委員の専門家の方と市職員との間でも必要な議論を行う。議論を行う前提として、しっかり聞き取りをしていただいて、事実関係を明らかにするとともに、対応に問題があったのか、どういう点に問題があったということについてしっかり検証するということを現在行っているところで、検証作業が遅れているとは考えておりません。2回目の検証委員会を開いて、その後、どういう形でいつ頃報告をまとめるのかというのは、公判の状況を見ながら考えるというふうに思います。
記者:
公判を待たずに進めていくということなんですけども、ただ、報告書を出す段階というのは公判を待つということになるんですか。
久元市長:
今のところは未定です。少なくとも、判決まで報告書を出さないということを決めているわけではありません。一定の事実関係が分かる、つまり大事なことは、今回の案件を受けて、その事実関係を明らかにして、問題点の所在をしっかり明らかにするということと、今後の対応をどう改善していったらいいのかということを結びつけるということをしたい。そういうような方向性が見いだし得るという、そういう時点になったときに報告書を出すということになると思います。公判の状況を参考にしながらも、公判にとらわれることなく、今申し上げたような目的の報告書が残せることができるという時点で報告書をまとめたいと思います。
記者:
今週開かれた市長と外資系企業の方々の意見交換会について伺います。
冒頭のみ公開ということで、今回1時間半ほど行われたと思うんですが、かなりいろんなテーマで意見交換されたかと思いますが、今終えてどういう点が印象に残り、かつ課題として新たに感じられた部分など、魅力も含めてですが教えてください。
久元市長:
ネスレ日本、P&Gジャパン、それから日本イーライリリーの社長にお越しをいただきまして、ほかにも幹部の皆さんにお越しをいただいてて、非常に率直で有益な意見交換が行われました。それぞれ表現の方法は違っていましたけれども、神戸に本社を構えていただいていることが「大変よかった」と、そして今もそのことに「メリットを感じる」というお話がある一方で、共通して課題ということについても幾つか御指摘もいただいたところです。
1つは、共通してあったのは、やはり社員さんが日本で暮らしていく上での課題として、特に英語を含む多言語対応が必ずしも十分ではないところがあるということ。特に医療機関においてスムーズに診察が受けられるための通訳、そこをもうちょっと拡充してほしいという意見が複数あります。それ以外にも区役所におけるいろんな手続面での対応などの指摘がございました。
あとは日本人の社員さんへの対応と、それから海外から来られた社員さんへの対応、これ両方必要になるわけですけれども、海外から来られた社員さんへの対応としては、子供さんの教育という面でもう少し充実をするということは考えられないかというようなお話がありました。
記者:
ありがとうございます。
例えば、今お話になかった部分でまちづくりであるとか、空港の国際化のあたりについてはいかがだったでしょうか。
久元市長:
それは大変期待が大きいですね、神戸は非常に交通が便利であるということは、もともとのメリットとして感じていただいているようですけれども、神戸空港が国際化して、特に定期便が2030年に就航するということについては、非常に大きな期待がありました。すいません、私のほうから申し上げるべきだったんですけれど、そこはやっぱり期待でした。国際化に対してそれ以上の注文とか、課題の指摘というのはなかったと思います。
記者:
ありがとうございます。
改めて今回の狙いと今後について教えてください。
久元市長:
やはり神戸の経済の活性化ということを考えたときに、非常に成長性の高い企業を誘致する、そして神戸に来ていただいた企業にはずっと神戸でビジネスを展開していただくという意味で、外資系、特にこの3社はグローバル社会の中でも大変大きな事業を占めている会社、この会社の日本法人を神戸に置いていただくということは、神戸にとっては非常にありがたいことですから、この3社のビジネス環境、それから、そこで働いておられる方の生活環境をよりよいものにしていくということは非常に大事なことです。同時に外資系企業は他にもありますし、今後のことで指摘されたことというのは、ほかの外資系企業においても当てはまることなので、このことは外資系企業のリスクということを考えたときに、神戸のビジネス環境をより向上させるという上で意義があったと思います。このことを参考にしてもう少し幅広く、そういう面も含めたビジネス環境の改善ということにさらに取り組んでいきたいと思います。
記者:
先ほどちょっと西区の虐待事件についてちょっとお尋ねしていましたけど、1点だけ、現時点で市長の御見解として、神戸市の対応として重く受け止めないといけないという御発言はありましたけど、現時点でやはり問題があったか、なかったかというところで言うと、やはり一定の問題はあったという御見解でしょうか。
久元市長:
具体的にどの点にどういう問題があったのかということを検証するためにまさに検証委員会をつくっているわけですから、今の時点でここが問題があったということを具体的に申し上げる段階ではないと思いますけれども、少なくとも言えることは、関係機関の間での情報共有、この点についてはやはり改善すべき点が恐らくあるだろうと思います。そういうことから考えて、検証委員会の報告は出ていないわけですけれども、マニュアルを見直しまして、48時間以内に児童の安全が確認できない場合には児童相談所、こども家庭センターに早期による対応を求めました。
今後も検証委員会の報告書はできるだけ早く出していただきたい、出していただくように私どもも最大限の努力をいたしますが、検証委員会の報告書が出される前でも委員の方々とのヒアリングの間で明らかになった問題点が出てきて、それに対応するために必要な改善の措置が求められる場合には、さらに追加して対応していくと思います。